社長室が子ども部屋に“変身”。新型コロナウイルス感染拡大の影響で学校の臨時休校が続く中、福岡県宇美町の商業施設「ユービオス」では、テナント店とビル運営会社が協力し、子どものために社長室や空き部屋を開放している。子どもを預ける所がなく、テナント店で働けず困っていた母親の声を受けて即席で準備。「峠を越えるまで続けていきたい」としている。

 重厚な机や応接ソファが並ぶ社長室で11日、小学生4人が勉強していた。隣の空き部屋でボール遊びをする子もおり、小学3年の女児(9)は「友達と一緒にいられるから、家より楽しい」と笑った。

 ユービオスはスーパーや銀行、カフェなど約30のテナントが入る商業施設。カフェの経営会社の木村恵美社長(56)が従業員の母親から「休校期間に子どもを預ける場所がない」「働けずに給料が減ると困る」と相談され、自身の社長室を2月末から開放している。ビル運営会社の安河内武士社長(82)も空き部屋を提供。同社の従業員が子どもを見守りながら、小まめに部屋を除菌している。

 カフェ従業員3人の子ども計6人が利用しており、小学3年の長女と幼稚園児の次女を預けている女性(39)は「小学校に入学する次女の学費がかかる時期なだけに、本当に助かる」と感謝していた。

 会社に勤めながら長男を育てた木村社長は「子どもを預ける所を探す苦労は分かる。力になりたい」。安河内社長は「大変な時だからこそ、助け合いたい」と語った。

(御厨尚陽)