大分県は22日、新たに20〜90代の女性8人が新型コロナウイルスに感染していたことが分かったと発表した。このうち50代女性=大分市=は県立病院(同市)の看護師で、集団感染が起きた国立病院機構大分医療センター(同市)から転院した患者を担当していた。県は転院による2例目の院内感染が発生したと認定。県立病院は新型コロナウイルスに関する医療の中核を担う施設でもあり、濃厚接触者のPCR検査を急いでいる。

 これで県内の感染者は計21人。このうち20人がセンターに絡んだ感染者だ。少なくとも11人は同じ病棟の患者や担当する医師、看護師ら。感染患者のうち7人は、県立病院など大分市、同県臼杵市の計6医療機関に転院後に感染確認された。県はクラスター(感染者集団)の連鎖を防ぐため、濃厚接触者を特定し、検査を続けている。

 50代女性のほかに感染が確認されたのは、センターの20代女性看護師2人、30代と50代の女性看護師、入院中の80代女性患者=いずれも大分市、元入院患者の80代女性=同市=と90代女性=臼杵市。20代と50代看護師は感染者が多く出ている病棟に勤務する。8人に重症者はいない。

 県立病院は県内8カ所の感染症指定病院の一つで、感染者の病床数は最も多い12床。これまで県内の感染者を優先的に受け入れてきたが、感染した看護師が所属する神経内科については23日から当面、外来診療の受け入れ中止を決めた。

 県は、センターの関係者全員の約600人に対してPCR検査を順次行っており、22日午後8時半までに221人分を終えた。外来患者の症状を把握するため、1〜19日にセンターを受診した人にせきや熱などの症状が出た場合、近くの保健所に相談するよう呼びかけている。

地域医療への影響懸念も

 大分医療センターで発生した新型コロナウイルスの集団感染では、患者の転院先の医療機関で感染確認が相次いでいる。休診する病院もあり、地域医療体制への影響を懸念する声も出始めた。

 県によると、感染した患者の転院先6カ所のうち大分市内の3病院は当面、新規の外来診療を受け入れない。県立病院は神経内科で外来診療の中止を決め、センターも30日まで、救急を含む外来診療を中止している。大分市内の1病院は医師ら約40人の陰性が判明し、23日から再開。臼杵市の病院は診療を継続する。

 県立病院を除き、外来診療を中止した4医療機関はいずれも大分市東部にある。2病院は初期診療を担う1次医療機関、残り1病院とセンターは重症患者を診る2次医療機関。特にセンターは救急やがん患者など幅広く扱っており、市内の40代男性医師は「他の基幹病院を紹介するにしても距離があり、患者の負担は大きい」と語る。

 市保健所の後藤礼次郎保健総務課長は「市内には400以上の病院や診療所があり、地域医療に大きな影響はまだない」と強調。たださらなる感染拡大に備え患者の送り先やカルテの共有、人員確保などについて市連合医師会と協議するという。

(岩谷瞬)