2017年の九州豪雨被災で一部区間が不通となっているJR日田彦山線を巡り、福岡県の小川洋知事は「今月中」としていた復旧方法の決定を先送りする方針を固めた。25日の県議会予算特別委員会で正式表明する。鉄道復旧を求める同県東峰村と、バス高速輸送システム(BRT)を軸に検討を進める他の沿線自治体との意見がまとまらない中、県議会から月内の方針決定を疑問視する声が上がっており、自治体とのさらなる協議が必要と判断した。

 JR九州と沿線自治体のトップでつくる復旧会議は3月末までに復旧方針を決める予定だったが、福岡県の方針転換により月内の結論は困難となった。

 JRは不通の添田(同県添田町)−夜明(大分県日田市)について、(1)鉄道復旧(2)一部専用道を走るBRT(3)一般道を走るバス−の三つの復旧案を提示。鉄道復旧を求める声は根強かったが、問題の長期化などを背景に、2月の復旧会議では東峰村以外はBRTを軸に検討を進める方向に転換していた。

 小川知事は復旧方法について、昨年9月の県議会定例会で「遅くても本年度中に解決できるようできるだけ早く方針を決断したい」と答弁。今月に入っても、月内に表明する考えを重ねて示していた。

 これに対し、最大会派の自民党県議団など主要4会派は「沿線の首長や住民との協議が不十分」などと批判。復旧のあり方を検討する超党派の協議会を設立し、被災地域の振興策を盛り込んだ決議案を27日の県議会最終本会議に提出する方針を各会派で申し合わせている。

 新型コロナウイルスの影響で東峰村で住民を集めた説明会ができず意見集約ができていないことや、自民党県議から独自に4案の復旧方法が提示されたことも考慮。沿線自治体と丁寧な議論を重ねた上で判断する方針に傾いた。 (前田倫之)