竹から電気自動車(EV)などの蓄電装置の電極材料と化粧品の成分を製造する研究プロジェクトに、九州工業大(北九州市戸畑区)と化粧品・美容成分メーカーの三省(さんしょう)製薬(福岡県大野城市)が乗り出した。放置竹林による「竹害」が各地に広がる中、竹を丸ごと有効活用することで竹害の軽減にもつながるとしている。3年後の商品化を目指す。

 九工大の坪田敏樹准教授(機能材料化学)らの研究グループと、八女市産のモウソウチクの表皮から美白成分を抽出して化粧品を商品化している三省製薬が取り組むプロジェクトは4月中旬にスタート。表皮を取り除いて残った幹の部分から電極材料と美容成分を取り出して活用することを目指している。実現すれば無駄なく効率的に竹を使い切ることができるという。

 九工大は、幹を約200度で加圧熱水処理し、同社がそこから得られるオリゴ糖の一種を美容成分に使えるようにする。その残りかすから活性炭を作り出し、「電気二重層コンデンサー」と呼ばれる蓄電装置の電極材料を製造する。

 同コンデンサーはリチウムイオン電池と比べ、長寿命で急速な放充電が可能な一方、蓄えられる電気の容量が少ないのが課題。その能力が高い活性炭の開発を目指し、EVの蓄電装置への利用も想定している。

 同プロジェクトは昨年末、「ふくおかフィナンシャルグループ企業育成財団」の年間500万円の助成が決定。最大5年間助成を受けられる。

 坪田准教授は「竹から段階的に付加価値の高い製品を作り出せる、ほかに例がないバイオマス利用のプロジェクトだ。処理過程で水しか使わず、環境負荷も少ない」と話している。 (竹次稔)