福岡ソフトバンクの中村晃外野手(30)が11日、新型コロナウイルス対応の最前線で働く医療従事者を支援するため、福岡県に1000万円を寄付した。県庁で行われた贈呈式にオンラインで参加。自らの母親が看護師で、過酷な医療現場の現状を聞いたことを明かし、医療従事者へ感謝の言葉を重ねた。プロ野球の開幕時期は依然不透明ながらホークスの選手会長が「今できること」を形にした。

 新型コロナウイルスへの対応に明け暮れている医療従事者に対し、感謝を形にした。福岡県が医療従事者を応援するための寄付口座を開設した11日、中村晃がすぐさま動いた。「日々大変な思いをされながら、県の医療を最前線で支えてくださっている。何か役に立てないか、日々考えていた」

 医療従事者に対する思いは人一倍強い。「母親が看護師をしていて、(医療現場が)大変な状況というのは聞いていた」。4月8日に日本プロ野球選手会が感染拡大防止を支援する寄付活動を始めた際も、チームの先陣を切って寄付を表明した。さらに同時期、福岡市が毎週金曜日に医療従事者への感謝の拍手を送る「フライデー・オベーション」を始めると、それに合わせてチームの公式ツイッターを通じて動画を発信。医療従事者に向けて「私たちの命を支えてくれる皆さんに感謝」などのメッセージを送った。

 プロ野球の開幕が見えない中、一選手として何ができるかを常に考えている。「野球ができない中、元気を与えることを発信していくことも大事」。チームメートでは千賀と甲斐がコロナ禍で影響を受けている子どもたちを支援するためのクラウドファンディングを始めた。「SNSを使ってみんなもやってくれているし、これからもできることを探し続けたい」

 感謝の思いを抱くのは医療従事者だけにとどまらない。「ホークスは日頃から(福岡)県民の方々に応援してもらっている。早くコロナが収束するよう、僕らもできることをしっかりやっていきたい」。シーズン開幕、そして多くのファンに見守られながら野球をする日常が戻るその時まで−。今季から選手会長を務める中村晃は未曽有の事態に前を向く。 (長浜幸治)