佐賀県伊万里市にある「GT-Rサービス ワタナベ」は、九州にあるにもかかわらず、日本中のGT-R乗りから一目置かれる存在。

というのも、「GT-Rの神様」と呼ばれる渡辺茂社長が仕上げたGT-Rは、恐ろしいほどの精度とバランスで組み上げられていて、最高速240km/hを保証し、2度と組み直す必要がないという。


 渡辺さんとGT-Rの出会いは、70年代に完成して間もない名神高速道路でのこと。

渡辺さんが乗るスポーツカーに1台のクルマが勝負を挑んできた。

お互いにアクセルを踏み込み、渡辺さんのクルマの加速が頭打ちになったところで、相手のクルマが視界に入り、そのまま遠ざかっていったという。

その時、目に飛び込んできたのが、誇らしげな「GT-R」のエンブレムだった。

この瞬間に渡辺さんはとりことなり、必死に働いて2年がかりでGT-Rを入手。

日産プリンスからプライベーターとしてレースに参戦するようになった。


 その当時、レース用の部品の購入やメンテナンスのために、田町にあるスポーツコーナーに足しげく通っていた。

その際には、クルマに関するノウハウを聞き出し、自分のGT-Rで試すということを繰り返していた。




スカイラインGT-Rフリークの間でうわさになっているKPGC10。


それは、「GT-Rの神様」と呼ばれる渡辺さんが、長い年月と熱い情熱を注ぎ込み、超軽量に作り上げたモンスターだった。


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テールはモール類を外し、レンズは70年式用のワンテールを移植。

GT-Rエンブレムは、純正モチーフのステッカーを製作。

「GT-Rサービスワタナベ」のステッカーが誇らしげだ。





フロアから天井までの内張り、コンソールも取り外されているため、車内は鉄板むき出し状態。

ダッシュボード下のフロアトンネルにはドライバッテリーを移植。

また、リアシートは外され、トランクとの隔壁パネルが設けられているほか、左右のパネルは穴開け処理による軽量化が施されている。




カーボン製ボンネットは、航空機用の部品メーカーによるワンオフ。




新しく、純正のウオーターポンプを外し、電動式に変更することを提案。

パワーロスが減り、レスポンスアップにもつながる。

F1などのレーシングエンジンの技術だ。




ミッションは最終のワークスF仕様(3分割)で、ギア比は1〜4速がOP3と同じレシオ(1速2.554、2速1.758、3速1.271、4速1.000)で、5速を0.850から0.892に変更したものを装着。

マフラーはチタン製のデュアルタイプだ。



掲載:ノスタルジックヒーロー 2011年12月号 Vol.148(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)