青果や貿易貨物を運ぶ愛國大和は、ハイセンスな鏡面パーツといぶし銀のペイント、それに優れたトータルバランスで、個性をアピールする個性派ウイング車だ。

注目のキャブ回りは、精悍なキャデラックバンパーを筆頭に、前面に黄色いマーカーを並べた平型バイザー、菱抜きデザインをあしらったミラーステーなど、重量感のある鏡面パーツをバランスよく装着。黒塗りキャブとの美しいコントラストも、特筆に値するビューポイントだ。また「鯉」に「鬼丸愚連隊」の文字を重ねた寝台窓や、”小番長”と刻んだウイングマークなど、随所に光らせたディテールメイクも見どころ。ウロコステンレス素材の安全窓も印象的だ。

一方の箱回りは、バスフェンダーを挟んで流れる2段サイドバンパーや、丸テール×13発を配したリア下回りなど、アンダーエリアの個性が秀逸。箱回りやサイドバンパーに多投した黄色いリレーマーカーは、華やかなナイトシーンの演出にひと役買う。なお、ウイングを彩る「愛國大和」の筆文字と、リア観音扉を席巻する「波頭白なむ荒波」は、実力ペインターの岩井看板が手腕をふるった傑作。ツウ好みな仕上がりで、街道でも一目置かれている。

【写真6点】ハイセンスな鏡面パーツといぶし銀のペイント。

カミオン2012年7月号トップアートをもとに再構成