芸能人から夜の歓待を受ける。そんなことが珍しくなくなっている。芸能界という不安定な場に身を置きながら、サイドビジネスとして飲食店経営に乗り出し、来店した客をおもてなしするからだ。

 芸能人は安心して飲める店を確保している。打ち上げや打ち合わせが気兼ねなくできる隠れ家から、知人が店主を務めているさながらプライベートルームまで。横のつながりが増えていく中で、将来への担保として、飲む側から店を回す側に転じることは少なくない。

 そんな中、“一発屋芸人”として世に出ながらも、テレビの世界から姿を消した女芸人がスナック経営で生計を立てているという。
 「『エンタの神様』(日本テレビ系)で、女子プロレスラーのアジャコングを彷彿させる強烈スタイルで出演していたまちゃまちゃです。これといった芸があったわけでもない29歳(当時)の彼女は、あっという間に売れて、さっと消えました。今は都内・高円寺の商店街の一角で、会員制スナック・ピエロを経営しています。全10席で狭く、常連客にはものまね芸人のMr.シャチホコ&みはる夫妻がいます。シャチホコが和田アキ子のものまねに賭けようと誓ったのが、このお店だったとか」(エンタメ月刊誌のフリーライター)

 開店したのは、およそ3年前。千葉県君津市から上京して、19歳で住み始めたのが高円寺だったことが大きい。幼いころは両親が共働きで、母の手料理を食べた思い出がほぼないため、若手時代は料理をしなかった。だが、ある番組への出演がきっかけとなって、健康を第一に考えた料理を作ろうと決め、飲みに来る客の心を癒やす立場に立った。あえて会員制にしたのも、常連に寄り添うことを優先したからだ。
 「芸人でスナック経営を軌道に乗せているのは、浅草キッドの玉袋筋太郎さんでしょう。芸能界でも屈指のスナック好きで知られる玉さんは、14年に一般社団法人全日本スナック連盟を設立。17年に赤坂の一等地に『スナック玉ちゃん』をオープンしました。後輩芸人のお笑いコンビ・ほたるゲンジの桐畑トールさんがチーフで、常連客が多いといいます。大阪の高級クラブがひしめく北新地には、直営2号店があります」(先のフリーライター)

 タレント業一本で食えない者の大半は、アルバイトで食いつなぐ。水商売に流れる者が多いのは、時間の融通が利いて、話術を磨けるからだ。
 まちゃまちゃ、玉袋の場合は、スナックが終の棲家か……。
(伊藤由華)