『M愛すべき人がいて』(テレビ朝日系)が話題だ。ミュージシャン浜崎あゆみの「事実を基にしたフィクション小説」を原作とする本作は、ギャグなのか、はたまたマジで狙っているのかわからない過剰演出が話題となっている。脚本を手がけるのは、バラエティ番組の人気放送作家である鈴木おさむ氏だけあり、今後の展開にも要注目であろう。

 ただ、歌手デビュー前に浜崎が行っていた売れないアイドル活動は、サラリと触れられるだけだった。ドラマでは『ツインズ教師』(テレビ朝日系)、『未成年』(TBS系)の2つの作品が登場した。だが、彼女はこれ以外にも多くの作品に出演している。その役どころはと言えば、なかなかヘヴィーなものが多かった。

 1995年公開の映画『渚のシンドバッド』では、レイプ被害の過去を持つ女子高生を演じた。この作品は、同性の親友に恋愛感情を寄せる岡田義徳演じるゲイの男子高校生が主人公である。この彼が恋する相手が惹かれる女性として浜崎がおり、複雑な三角関係が描かれる。隠れた日本映画の名作として名高いが、それでも浜崎にとっては「触れてほしくない過去」のようだ。
 また、1996年放送のテレビドラマ『闇のパープル・アイ』(テレビ朝日系)では、雛形あきこ演じる主人公の親友役として出演するも、途中であっけなく殺されてしまう。アイドル女優時代の浜崎は、不幸な役柄ばかりやらされていたと言える。

 さらに、映画初出演作となる1995年公開の『すももももも』では、主演の持田真樹の妹役としてちょい役で出演しているだけにも関わらず、のちにソフト化された時には、パッケージに「あの浜崎あゆみが出演!」と大々的に宣伝されてしまった。

 これらの作品は、『M』では一切触れられておらず、浜崎的には封印したい過去となっているのだろう。