「アリーヴェデルチ!またなっ」

 これは昨年アイスリボンを退団し、スターダムに電撃入団を果たした女子プロレスラー、ジュリアの決め台詞。「アリーヴェデルチ」はイタリア語で「さよなら」という意味がある。新日本プロレスの内藤哲也が使っている「トランキーロ!あっせんなよ!」と通ずるものがあると言っていい。

 4日に行われた新日本の東京ドーム大会で、第0試合(3戦あった)の第1試合だったが、ジュリアは東京ドームのリングに堂々と試合をする選手として上がっていた。スターダムが提供したカードは、岩谷麻優&星輝ありさの2大王者コンビに、スターダムでは壮絶な喧嘩マッチを繰り広げた木村花&ジュリアのカード。スターダムマットでも実現しないドリームマッチだった。こういうカードをさらっと提供してしまうのが、ロッシー小川エグゼクティブプロデューサーの素晴らしいところだ。

 「もっとアウェーな感じだと思ってたんですけど」

 岩谷は新日本のリングに上がることを恐れていたようだが、このカードが決定した際に起こった「アレルギー反応」はほんの一部であったことが、入場と同時に判明する。試合が始まる16時には既にスタンドがギッシリと埋まっており、4選手がコールされると大歓声が飛んだ。最初は堅さも見られた選手たちの動きも普段通りになっていき、女子選手が繰り出す美しい技の数々にどよめきが起こっていた。最後は誤爆から、花を岩谷がムーンサルトプレスで華やかに3カウント。新日本マットでのスターダム提供試合の初陣は成功に終わった。グループ会社なのだから、ビッグマッチに女子の試合がひとつ入るのは悪くない。

 このドーム大会に出場したかった選手は他にもたくさんいたはずだが、一番の新入りであるジュリアが参戦したのは、ジェラシーを生むには最高の形となったのではないだろうか。

 試合後、花と揉めたジュリアだったが、花が会見上から去ると「自分は、絶対にかなわないだろうなと、大きな大きな“東京ドームで試合をする”という夢を口にしていました。絶対にかなわないだろうと思って。それがこうやって実現できたこと、ジュリアを選んでもらえたってことは、当たり前じゃねーし、それは分かってます。だからこそ、女子プロレス、引っ張っていくので、未来の女子プロレスはジュリアにお任せください。アリーヴェデルチ!またな!」と、移籍してから初めて“素”を見せる一幕があった。

 ブシロードが新日本を買収したとき、新体制の象徴として棚橋弘至の対角線に立ち、一緒に引っ張ってきたのがオカダ・カズチカなら、同じくブシロードが買収したスターダム新体制の象徴になり得るのがジュリアである。それだけの雰囲気を持っているだけに、女子版のレインメーカーになれるのか?ジュリアの活躍に期待したい。
(どら増田)