縦じまの背番号19の再起はなるか。

 阪神タイガースの藤浪晋太郎が、今月11日にヤクルトとのオープン戦に先発登板。4回を無失点に抑えるパフォーマンスを見せた。

 しかし、18日に登板したオリックスとの2軍練習試合では、最速157キロを記録するも3回を投げ5安打1失点。自身は試合後に「感触としては悪くなかった」とこの日の内容を振り返っているが、矢野燿大監督は「しっかり捉えられてる打球も多かった」と厳しい評価を下している。

 ここ数年の藤浪の不振については、改めて記す必要もないだろう。プロの投手として極度の不振に陥り、昨年は未勝利、一軍登板が僅かに一度だけに終わった。イップスが囁かれ、数シーズンに渡りトレード候補にまで名前が挙がる程で、選手としての危機に直面している状況だ。一度や二度の実戦マウンドにおいて好投を見せたところで、「復活」と捉えることはあまりにも安易であることは、虎党のみならず、プロ野球ファンの誰もが感じるところだ。

 また、ここまで二度のOP戦登板、そして練習試合においての四死球や三振数などを見ても、藤浪が復活に近づいているとは言い難い。最大の課題である制球難をはじめ、来月には26歳を迎える「元」エースがクリアすべき課題は山積している。

 ただ、現在のプロ野球は投手陣の分業化が細かく、先発以外でも救援など多くの役割が求められている。首脳陣は藤浪の復活を目指す過程で、実戦において様々な形でのシチュエーションを与える道も一つの手段だろう。

 開幕が延期となっている2020シーズン、NPBは本来行われるはずだった公式戦カードをベースとしての練習試合を行うことを発表している。実戦でのマウンドの機会を途絶えさせることなく、周囲の評価を覆していくことが出来るか。ローテーション投手としての姿を蘇らせるために必要なものは、コンディションの他、マウンド感覚、さらには勝負勘などにも及ぶ。藤浪晋太郎がもう一度、表舞台に戻るには決して簡単ではない。それでも彼ならばまた帰ってくる、その期待も未だ、薄れてはいない。(佐藤文孝)