元巨人監督で野球解説者の堀内恒夫氏が、23日に自身のブログに投稿。自身が選考委員長を務める沢村賞の選考について苦悩を吐露した。

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 1947年に創設された沢村賞は「登板数(25試合以上)・完投数(10試合以上)・勝利数(15勝以上)・勝率(.600以上)・投球回数(200イニング以上)・奪三振数(150個以上)・防御率(2.50以下)」という7項目の基準をもとに、選考委員会が選んだ先発投手に贈られるタイトル。今年は完投数(10試合)・勝率(.647)・防御率(1.82)をクリアした中日・大野雄大と勝率(.875)・防御率(1.97)をクリアした巨人・菅野智之の一騎打ちと目されていたが、23日に開かれた選考委員会で話し合いの結果、大野の受賞が決定した。

 だが、今季の同賞選考について堀内氏は「選考基準をただ単に数字だけで判断したならば 今年も『該当者なし』そうなったかと思う」とコメント。あくまで選考基準にのっとるならば、昨年と同じように該当者なしとする方が自然だったと主張した。なお、同賞は昨年を含め、過去に5回(1971,1980,1984,2000,2019)該当者なしとなった年がある。

 結果的には大野が受賞することになったが、堀内氏は「大野くんは素晴らしかった。でも、選考基準7項目中3項目しかクリアしていない そういう見方もできる」と選考基準を半分もクリアしていない点を指摘。その上で、「各選考委員の中で 今年は特別であることを加味して判断していることをどうぞ、ご理解いただきたい」と、今季が本来の143試合ではなく120試合で行われたことを踏まえた上での難しい選考だったとファンに理解を求めた。

 1982年から設定された同賞の選考基準は2018年に「沢村賞の基準で定めたクオリティ・スタート(QS/7回以上を投げ自責点3点以内)の達成率を含む」という補助項目が加わった以外は変更されていないが、近年その選考基準が「時代にマッチしていない」という意見も数多く寄せられているという堀内氏。「我々も見直す時期にきている 見直すところはあると思っています」、「いたずらに基準を下げたくはないけれど 時間をかけてでも取り組んでいかなければいけない」と、将来的には選考基準の見直しに着手したいという意向も明かしていた。

 今回の投稿を受け、ネット上には「今季は試合数少なかったから本来の基準をクリアしにくくなったのは仕方ない」、「確かに基準は3つしかクリアしてないが、完封も6度記録している大野の受賞には何も文句はない」、「今は投手分業制が一般的だから、完投数や投球回数は時代に見合ってない基準という気はする」、「選考基準の見直しはもちろんだが、時代に左右されない新しい賞の創設もアリなのでは」といった反応が多数寄せられている。

 その年で最も優れた先発完投型投手に贈られるタイトルであり、中継ぎ・抑えは選考対象に含まれない沢村賞。現代のプロ野球は投手分業制が定着し先発が6、7回でブルペン陣に後を託すことも珍しくないが、同賞も時代に即した基準への改正を迫られているのかもしれない。

文 / 柴田雅人

記事内の引用について
堀内恒夫氏の公式ブログより
https://ameblo.jp/horiuchi18/