明徳・馬淵監督は前育に脱帽だが。「4番の子がかわいそうや……」

明徳・馬淵監督は前育に脱帽だが。「4番の子がかわいそうや……」

「前橋育英は、強い! 走攻守どれを取っても、一枚も二枚も上やった。完全な力負けです」

 歴戦の監督、明徳義塾の馬淵史郎から出た完敗宣言だった。

 計算通り接戦に持ち込んだが、明徳がやりたかった、少ないチャンスを確実に生かす展開を逆に前橋育英にやられて1−3で敗れた。

 前橋育英の最速149キロのエース皆川喬涼に8回までわずか2安打に抑え込まれ、采配を振るう機会さえほとんど与えられなかった。

「サイン、出すとこなかった。やっぱり、ピッチャーは、スピードがないとあかんな。困ったとき140を超えるボールがあるのは魅力よ」

 9回表、連続安打でようやく1点を返したが、反撃機をつくるのがあまりにも遅かった。

「皆川君は前の試合よりもコントロールがよかったから、フォアボールを期待できない。相手のエラーを待つくらいしかできんかった。皆川君が今日みたいに調子のいいときに、大阪桐蔭とか智弁和歌山とやるのを見てみたいね。そうすれば、うちの打線のどこが足らんかったかが計れる」

前橋育英の強さを認めつつ、4番・飯島には同情。

 前評判の高かった前橋育英と、2回戦でぶつからなければならなかったクジ運の悪さも嘆いた。

「関東の関係者からも情報を集めたんやけど、いちばんは前橋育英やと言っていた。当たらん方がええよ、と。去年の夏は、クジ運、よかったんやけどな(笑)」

 前橋育英を「(優勝が)あるかもしらん」と高く評価する。

「1番の丸山(和郁)君がいいね〜。雰囲気もいい。チームを引っ張ってる。彼なら、野球で飯食えるかもしらんで」

 ただ、「4番の子がな……」と左手首骨折の傷が癒えない前橋育英の4番・飯島大夢に同情を寄せた。この日はスイング時、露骨に痛そうな表情を浮かべるシーンが目立った。

「4番の子がかわいそうや……。6番くらいにしてやれんのかな。彼次第かもしらんな。勝つときは、悪いところは表に出てこんもんやから」

馬淵は負けたら、第4試合でもその日のうちに高知へ帰る。

 ただし、明徳義塾らしい意地も見せた。ハイペースで本塁打が量産され続ける今大会、前の試合まで、16試合連続で本塁打が出ていた。しかし、この試合は1回戦で3本塁打していた前橋育英をノーホームランに抑える。自チームもホームランを打てなかったわけだが、連続試合本塁打記録を16でストップしてみせた。

「今の野球は95パーセントは投手。でも、ホームランを絶対に打たれないコースというのはある。うちは、清宮君(幸太郎=早実)にも打たれんかったんやから」

 2回戦で散り、期待された史上5人目の甲子園50勝はお預けとなった。

「まあ、いつかは、するわ。来年もし選抜大会出たら、その話題で(笑)。明日から練習します」

 馬淵は負けたら、たとえ第4試合であってもその日のうちに高知へ帰る。

「甲子園おったら、いつまでもうじうじ考えるだけ。だったらさっさと帰って、新チームのこと考えたほうがええやろ」

 完敗にも、いつものように、さっぱりと語った。

文=中村計

photograph by Kyodo News

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