15歳ザギトワが女王メドベデワ下す!フィギュア欧州選手権でロシア席巻。

15歳ザギトワが女王メドベデワ下す!フィギュア欧州選手権でロシア席巻。

 1月21日、モスクワで開催されていた2018年欧州選手権が無事終了した。

 もっとも注目されていたのは、世界女王エフゲニア・メドベデワの復帰である。メドベデワは10月のロシア杯の直前に右足の中足骨にひびが入っているとの診断を受けたが、痛み止めを飲んで挑んだロシア杯、そして11月のNHK杯で優勝。12月の名古屋GPファイナルは棄権し、この欧州選手権が復帰戦として注目されていた。

 だが初タイトルを手にしたのは、同じロシアのライバル、15歳のアリーナ・ザギトワだった。

 世界ジュニアチャンピオンの彼女が今シーズンシニアに上がってきたときは、平昌オリンピックの金メダリスト候補になるかと騒がれたが、それが俄然現実味を帯びてきたことになる。

 ザギトワはSP、フリーともノーミスの演技を見せ、フリーでは後半で7つの3回転ジャンプを完璧に決めた。彼女が更新したパーソナルベスト、総合238.24はメドベデワが持つ世界歴代最高スコア241.31に次ぐスコアである。

 それでも「今日の演技の自己評価は、5点中の4点。まだ改善すべき点があるのでコーチと話しあっていく」と厳しい自己評価を下した。

「SP、フリーとノーミスで滑ることができたのは嬉しい。欧州タイトルは嬉しいけれど、もう次を見ていなくては」と、15歳の少女とは思えないしっかりとしたコメントをした。

故障明けで、2位に終わった世界女王メドベデワ。

 18歳のメドベデワは、大きなミスはなかったものの、普段の彼女ほどの完璧な演技ではなく232.86という高いスコアを出しながらも2位に終わった。

「銀は銀で、その価値を変えることはできません。でも2カ月のブレークがあったことを考えれば、悪い結果ではない」と会見で語った。

「ここに立っていることそのものが、私にとっての勝利」

 メドベデワは、2カ月ぶりの試合とあって、「選手は試合ごとに調子をあげていくもの。合間が空くと、調子が下がる。私がここに立っていることそのものが、私にとっての勝利です」と喜びも口にした。

 ロシア国家の代表としての参加ができないことについての感想を聞かれると、「“オリンピックアスリーツ・フロム・ロシア”として出場するので、やはりロシアの選手であることに変わりはない。テレビで見ている人も会場で見ている人も、私たちがロシアの選手であることを知っている」とコメントした。

31歳になるベテランのコストナーも堂々3位に。

 3位は、今回で11個目の欧州選手権メダルとなるベテランのカロリーナ・コストナーだった。フリーではジャンプのミスが出て4位だったが、総合で3位に留まった。

「初めて欧州選手権に出場したとき、SPとフリーで3+3のコンビを降りたけれど表彰台に届かず、ジャンプだけではなく表現力も大事なのだと言われました。それが励みになって、表現力の上達を目指してきた。

 年齢や体の変化など、トレーニングが苦しかったこともあります。忍耐と強い意志そしてこのスポーツに対する愛がなくては、続けてこられなかった。でも私にはそれらがあります」

 こう会見で語ったコストナーは、平昌オリンピックでは31歳になる。

 体が軽いティーネイジャーたちがトップを占めがちなこのスポーツの中で、大人の女性の演技で勝負する彼女のファンも多い。

フェルナンデス、史上初の選手権6連覇を果たす。

 男子では、スペインのハビエル・フェルナンデスが6年連続となるタイトルを手に。

 1969年から73年まで5連覇した、チェコスロバキアのオンドレイ・ネペラの記録を破った。

 SPではトウループとサルコウの4回転を成功させて、103.82と2位に12ポイント以上の差をつけてリード。フリーでは後半でジャンプミスもあったものの、やはり2度の4回転と2度の3アクセルを成功させて総合295.55と、シーズンベストスコアを出した。

「もちろん勝ちたいと思って来たけれど、どのような戦いになるかはわからなかった。欧州選手権は、とても重要な大会。オリンピックまでまだ数週間あるので、100%の体調で挑んで、シーズンベストの演技を見せたい」とフリー後の会見で語った。

 今シーズンで競技引退の可能性が高いフェルナンデスにとって、おそらく今回が最後の欧州選手権になる。

フェルナンデスと競った、アリエフ2位、コリヤダ3位。

 この大会でフェルナンデスの最大のライバルになると見られていたロシアのミハイル・コリヤダはSPでのジャンプの失敗が響いて、昨年と同じ総合3位に終わった。

「昨年と同じように結果は悪くないけれど、演技の内容には満足していない。でもこれがもっと成長するモチベーションになると思う」と会見でコメントした。

 2位に入ったのは、同じくロシアの18歳、ドミトリー・アリエフ。

 SP、フリーともに大きなミスなく滑りきって初の欧州選手権メダルを手にした。

ペアはロシア、ダンスはパパダキス&シゼロン4連覇。

 ペアは、SPでの5位からいっきに逆転した昨年のチャンピオン、エフゲニア・タラソワ&ウラジミル・モロゾフがタイトルを守った。

 2位がソチオリンピック銀メダリストのクセニア・ストロボワ&フィドール・クリモフ、3位がナタリア・ゾビイアコ&アレクサンドル・ウンベルトと、ロシアペアが表彰台を独占。

 SPで1位だったフランスのバネッサ・ジェームス&モーガン・チプレはフリーでミスが重なり、わずか0.01の点差で4位に終わった。

 アイスダンスではフランスのガブリエラ・パパダキス&ギョーム・シゼロンが歴代最高スコアを更新して4連覇を果たした。2位がショートダンス4位から挽回したロシアのエカテリナ・ボブロワ&ドィミトリ・ソロビエフ、3位が同じくロシアのアレクサンドラ・ステパノワ&イヴァン&ブーキンだった。

結局、ロシアの強豪選手たちは全員五輪出場へ。

 この大会の最終日にロシアスケート連盟が平昌オリンピックの代表を発表。

 女子はザギトワ、メドベデワ、マリア・ソツコワ。男子代表は、アリエフとコリヤダ。ペアは表彰台を独占した3組。アイスダンスは表彰台に上がった2組が代表となった。

 女子総合4位だったソツコワ以外は全員が欧州選手権メダリストとしてオリンピックに向う。

 国家としての出場はできないものの、ロシアスケート王国は健在であることを世界に見せつける強豪チームになりそうだ。

文=田村明子

photograph by ISU via Getty Images

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