武蔵丸の名古屋場所総括。4大関に喝。引退・安美錦は「お疲れ様!」。

武蔵丸の名古屋場所総括。4大関に喝。引退・安美錦は「お疲れ様!」。

 今場所は、なんと貴景勝、栃ノ心に豪栄道、高安と4大関が休場してしまい、最終的に横綱ふたりの優勝争いになった。日々の一番一番を見て、内容がよかったほうが勝つということだね。鶴竜のほうが白鵬よりもよかったもの。

 白鵬は勝ち星は挙げていたものの、余裕がなくて、白鵬らしい相撲になっていなかった。13日目の妙義龍戦では、首を極めて振り回して、これはダメだなぁ。これだけ優勝回数を重ねた自分の価値を、自分でわかっていない。

 勝ちたい気持ちはわかるけれど、やはり見本にならなきゃいけない立場なんだ。ああいう相撲を見ても、もうそろそろ限界に来てるんじゃないか、と思ってしまうな。

 4大関休場は、もうこれはアウト! だよ。

 恥ずかしいこと。

 ケガが多いということは、ちゃんと稽古して体を作っていない、戦う体ができていないってこと。

力がありすぎて強引な力技が多い栃ノ心。

 栃ノ心は初日から連敗で、休場を決めた最後の相撲は朝乃山戦だった。

 当たってから変わり気味に引いてしまったんだけど、真正面から当たってここで勝っていれば、流れも変わって来たかもしれないと思うんだ。

 結局、自分の相撲で勝たないと、自信にならないんだよね。せっかく先場所、大関に復帰して力があるのに、もったいない。もっと細かい技を覚えた方がいいんだ。ダテに力があるから強引な力技ばかりなんだよね。体が大きいから、相手に中に入られないようにするなどの工夫もこれからは大事だよ。

 高安は、今場所は調子がいいかと思っていたのに、肘のケガで休場。相撲を見てみると、肘を出しっぱなしなんだよね。ちゃんと出したり引いたりしないと、腕を取られたり小手に振られたりして、これがケガに繋がる。高安はどうも体が硬いようだし、反応が遅いんだよなぁ。大きな課題だね。

安美錦はいい親方になってくれるはず。

 安美錦がとうとう引退したな。

 まだ緊張感があるからガクッとは来ないかもしれないけれど、何年後かに、現役時代に無理を重ねた反動が出てくるんだ。引退した後もトレーニングして、筋力が落ちないようにしないとね。

 お兄ちゃん――3代目若乃花も、今は痛み止めを持ち歩いているくらい、あちこちが痛いって言ってたもの。

 もともと体も大きくなくて、頭で行く相撲だったから、特にあとあと、響いてくる。髪の毛が薄くなるのもしょうがないヨ。頑張ってきた証拠だからな。

 若い頃から、支度部屋で毎日四股を踏んで汗をかいて、準備運動している安美錦の姿を見てきた。「あれだけやったら、土俵に上がる前に疲れて力が出ないんじゃ?」と思うくらいだったよ。

 ここ数年は、前みつ取っての自分の相撲ではなく、誤魔化し誤魔化しの相撲になっちゃっていたけれど、当たって押していくなどがあったら、まだ取れたかもしれないな。とにかくお疲れ様! いい親方になってくれると思うよ。

腕の返し方を覚えるとが少し楽になるよ!

 先場所に平幕優勝した朝乃山は7勝8敗と負け越してしまったけれど、相撲自体は攻めているし悪くはなかった。

 初めての上位陣総当たりだったし、しょうがない。力は充分あるし、もっと背中を丸めて、どちらかの脚を前に出すなど揃わないように意識するといい。右四つで力が出るタイプなんだけど、腕(かいな)を返せないんだよね。

 これは逸ノ城もそうなの。僕が腕(かいな)の返し方を教えてやりたいくらいだよ(笑)。

 返し方を覚えると相撲を取るのがちょっとでも楽になるんだ。15日間は長いから、少しでも楽に取れるような方法を考えると、相撲も楽しくなるものなんだよ。

 初の殊勲賞受賞の友風は、鶴竜戦で金星を挙げたけれど、これは“運”だな。

 今場所のラッキーボーイだよ。

 鶴竜は当たりがよかったけれど、頭が下がり過ぎてしまっていて、たまたまのタイミングだった。う〜ん、まだ友風については、僕は“つかんでない”んだよ。「今日は強いな」と思うと次の日コロッと負けるし、幕の内の真ん中あたりまで番付が上がると、パカーッとやられちゃうぞ? そこで跳ね返せればいいのだけれど。

遠藤は上位陣を相手に暴れてほしい。

 技能賞受賞の遠藤。今場所は体が動いていたね。

 いい型を持ってるし、いい相撲を取るんだよな。千秋楽の北勝富士戦なんて、何度も繰り返し見たくなるくらいのいい相撲だった。願わくば、もっともっとスタミナをつけて、上位陣を相手に暴れてほしいところ。

 三賞受賞を喜ぶよりも、もっと番付を上げて、今の上位陣をかき回して欲しいんだ。とにかくあとは稽古してスタミナをつければ、強力な武器になるよ。

 初三役だった竜電は4勝11敗と負け越したけれど、2大関を破ったのは大きいし、負けた相撲も悪い相撲じゃなかった。ケガで苦労してここまで戻ってきたのはすごいことだよ。けしてひとりではここまで来られなかったはずで、うるさいくらいに厳しい師匠が背中を押して、部屋全体のチームワークもあったろうと思えるんだ。

大関陣はふんどしを締め直さないと!

 さて、これまた初三賞を受賞した“わんぱく相撲コンビ”の照強と炎鵬。小さい力士はとにかく動きが止まったら勝てないから、いかに自分が早く相手の中に入れるかと、立ち合いにもものすごく緊張感がある。

 相手の中に入った瞬間に次の技を繰り出したり、逃げ回ったりと、それだけケガの危険もあるんだ。だから炎鵬は立ち合いの“待った”も目立ったし、肩などもケガしていたけれど、土俵を沸かせて、盛り上げてくれたね。

 さて、今場所を振り返ると4大関がいなくてだらしない場所になってしまったけれど、若手たちがよくやったと思うな。

 大関陣はここでふんどしを締め直さないと、若いヤツらがグングン上がって来て、勝てなくなっちゃうぞ? 体のケアを、今以上にもっと大事にしてほしい。元気な姿で来場所に出て来てくれれば、また楽しみな場所となるはずだね。

文=武蔵川光偉

photograph by Kyodo News


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