「日本人のお名前」のブームが続いている。

 NPBで1試合でも試合に出た選手は7000人を超えているが、もちろん同姓の選手はたくさんいる。そして日本人の姓で最も多いのは佐藤、鈴木、田中だと言われる。そこで今回は「鈴木姓」でベストナインを組んでみた。

 これが、なかなか壮観である。

 鈴木姓でNPBの一軍公式戦に出た選手は60人近くいる。このうち投手成績があるのは22人である。

イチロー、大地、尚典、誠也!

<打線 ※通算成績はNPBだけ。()はポジションと実働年>

1番 イチロー(中堅手1992-2000)
951試合3619打数1278安打
118本塁打529打点199盗塁 打率.353

 1番はこの人しかいない。7年連続首位打者で、史上初のシーズン200安打。走塁のレベルもトップクラス。ずば抜けた守備範囲と強肩も魅力である。言わずもがなMLBでも大活躍したし、平成以降での最強打者と言っても良い。

2番 鈴木大地(三塁手2012-)
1061試合3649打数999安打
54本塁打384打点30盗塁 打率.274

 ロッテで8シーズンプレーしたのち、今季から楽天に移籍した。遊撃手での出場が多かったが、内野ならどこでも守れる。シュアな打撃に加えバントも得意。まさに使い勝手の良い選手だ。

3番 鈴木尚典(左翼手1991-2008)
1517試合4798打数1456安打
146本塁打700打点62盗塁 打率.303

 イチローとほぼ同時期に横浜で2年連続首位打者を獲得し、打率3割を5回マークした。固め打ちが多く、勝負強い、格好の3番打者だった。

4番 鈴木誠也(右翼手2013-)
652試合2111打数670安打
119本塁打399打点67盗塁 打率.317

 今伸び盛りの広島の中軸で、昨年はセ首位打者も獲得した。確実性に加えて長打力もあり、足も速い。強肩で2017年には10補殺も記録。チーム鈴木では不動の4番だろう。

100本塁打超え強打者に盗塁王も。

5番 鈴木貴久(指名打者1985-2000)
1501試合4777打数1226安打
192本塁打657打点33盗塁 打率.257

 近鉄の強打者。がっちりした体格で、中軸打者として活躍。全力プレーで人気があったが、引退後の2004年に40歳で急逝してファンを悲しませた。

6番 鈴木健(一塁手1988-2007)
1686試合5201打数1446安打
189本塁打797打点15盗塁 打率.278

 西武の1987年ドラフト1位で、188cmの大型内野手として大いに期待された。中距離打者だったが勝負強く、1997年には94打点を挙げた。のちにヤクルトでも活躍。

7番 鈴木武(遊撃手1953-1963)
1131試合3607打数875安打
9本塁打214打点246盗塁 打率.243

 1950年代、近鉄のリードオフマンとして活躍。走塁の名手として知られ、盗塁王1回。のちに大洋でもプレーした。

飛び切りの代走の切り札が!

8番 鈴木圭一郎(捕手1946-1956)
746試合1969打数408安打
18本塁打148打点30盗塁 打率.207

 1946年セネタース(現日本ハム)に入団。俊敏な捕手として知られた。なお捕手は中日、オリックスでプレーした鈴木郁洋(1998-2012/501試合827打数153安打3本塁打56打点19盗塁 打率.185)もいるが、ここまでの選手に比べると両者とも打撃が物足りない。MLBまで範囲を広げるとすれば、ハワイ出身の日系選手カート・スズキ(鈴木清)がいるが……。

9番 鈴木康友(二塁手1978-1992)
688試合1082打数244安打
24本塁打91打点17盗塁 打率.226

 巨人、西武、中日でプレーしたユーティリティプレイヤー。1986年にはリーグ最多の35犠打を記録している。

 そして、このチームには飛び切りの走り屋がいる。

代走 鈴木尚広(外野手1997-2016)
1130試合1339打数355安打
10本塁打75打点228盗塁 打率.265

 巨人ひと筋20シーズンの野球人生で、試合終盤に「最終兵器」として代走に起用された。盗塁成功率.829は、通算200盗塁以上では最高だ。

エースは啓示、孝政は救援もOK。

 続いて投手陣も見てみよう。こちらも錚々たる顔ぶれがそろっている。

<投手>
鈴木啓示(先発1966-1985)
703試合317勝238敗2セーブ
4600.1回 防御率3.11

 左腕では400勝の金田正一に次ぐ勝ち星を挙げた。ドラフトで入団した投手としては最多勝で、近鉄の絶対的なエースだった。キャッチフレーズは「草魂」。当初は剛速球が売りだったが、西本幸雄監督になってからは制球力も向上して円熟味のある投手に変貌した。340完投は歴代3位。大エースと言ってよいだろう。

鈴木孝政(先発・救援1973-1989)
586試合124勝94敗96セーブ
1788.1回 防御率3.49

 中日の快速右腕で、ホップする速球が魅力だった。デビュー当初は星野仙一の後継クローザーとして3年連続最多セーブ。以後も救援投手として活躍するが、30歳前後から先発に転向した。

王に756号を献上した投手は実力派。

鈴木康二朗(先発・救援1973-1986)
414試合81勝54敗52セーブ
1364.2回 防御率3.68

 ヤクルト時代、王貞治に756号本塁打を打たれた投手として球史に名を刻んでしまった長身右腕。その印象の一方で、近鉄ではクローザーとして最多セーブ2回の実績を残している。

鈴木隆(先発1958-1968)
519試合81勝102敗
1625.2回 防御率3.20

 大洋、東京で活躍した先発左腕。王貞治に対して85打数21安打、打率.247と強かった。ただし強かったのは“二本足時代”の王。一本足になってからは6本塁打を浴びている。

K−鈴木(先発2018-)
23試合4勝6敗0セーブ
109.2回 防御率4.60

 現役では昨年オリックスで4勝を挙げたK−鈴木(鈴木康平)を、期待含みでローテの5番手に挙げておこう。NPBでは5勝だったが、MLBで16勝したマック鈴木(鈴木誠)をローテーションに加えることも考えられる。

リリーフも十分な陣容が組める。

鈴木皖武(救援1962-1975)
502試合47勝61敗1セーブ
1198.2回 防御率3.11

 皖武は「きよたけ」と読む。国鉄、阪神、サンケイ、ロッテと渡り歩き、1966年にはリーグ最多の62登板。制球力が売りの中継ぎ投手だった。

鈴木平(救援1988-2002)
296試合27勝20敗36セーブ
367回 防御率3.11

 ヤクルト、オリックス、中日、ダイエーで投げた長身右腕。オリックスでは中継ぎ投手として活躍した。

鈴木義広(救援2005-2014)
258試合10勝6敗1セーブ41ホールド
266.2回 防御率2.73

 中日で技巧派のセットアッパーとして活躍した。2011年には岩瀬仁紀、浅尾拓也と「勝利の方程式」を担った。

 1番イチローから4番鈴木誠也までの打線はスピード感あり、破壊力あり、魅力満点だ。イチローが出塁すれば、あっという間に二塁三塁を陥れ、得点に結びつきそうだ。

 投打ともにチーム鈴木は実に魅力的なチームだと思うが、いかがだろうか?

文=広尾晃

photograph by Naoya Sanuki