2021シーズンのJリーグ開幕日、キングカズこと三浦知良が54歳の誕生日を迎えた。ここ近年は2月開幕となっているJリーグだが、シーズンインとともにカズがケーキを前に現役への意気込みを語るのは“恒例行事”とも言える。

 そのニュースを見てると、いつも思いつく素朴な疑問がある。

 各競技の「最年長選手」って、誰なんだろう?

 コロナ禍ながらも競技を続けている大ベテランを知るだけでも、開幕(秋春制の競技は佳境)に向けて楽しくスポーツ観戦できるのではないか。

 ということでいろいろな競技の第一線で戦う“最年長レジェンド2021年版”と今年誕生日を迎えての年齢、そして偉大なる実績を振り返ってみよう。

カズのJでの成績を改めて振り返るとすごい

◇Jリーグ
三浦知良(1967年2月26日/54歳)

 言わずもがな、日本サッカーの歴史をピッチで刻み付けてきたキングである。

 ここ近年は最年長出場、ゴール記録にばかり注目が集まるが、あらためてJリーグでの各シーズン成績を見てみると……開幕華やかなりし頃の90年代のヴェルディで4シーズン連続2ケタ得点(96年は得点王)はもちろん、京都時代の2000年(30試合17得点)、神戸時代の2001年にも2ケタ得点(11得点)をマークしている。

 京都、神戸所属時のカズは年齢がすでに30台中盤に差し掛かっていたことを踏まえれば、やはり一流のストライカーである。

 ちなみにだがJ1年長2位も、横浜FCのチームメートである。そう、中村俊輔(1978年6月24日)だ。

 今年で43歳となる俊輔。2020年はリーグ戦10試合に出場した。こちらもJリーグでの成績を見てみると……驚くべきデータがある。

 シーズン途中でレッジーナに移籍した2002年、磐田から横浜FCに移籍した2019年以外、計15シーズンで“J1リーグ戦出場試合が2ケタ”をクリアしているのだ。

 ちなみにレッジーナ、セルティック、エスパニョール時代も出場試合が1ケタに終わったシーズンはない(『transfermarkt』のデータより)。必殺のFKや鮮やかなクロスが代名詞だが、試合に出続けるタフさも中村俊輔の凄味なのだ。

大相撲では50歳の華吹が頑張ってます

◇大相撲
華吹(1970年5月28日/51歳)
◇バスケBリーグ
竹田兼(1978年10月5日/43歳)
◇バレーVリーグ
松本慶彦(1981年1月7日/40歳)
◇ラグビートップリーグ
久富雄一(1978年8月11日/43歳)

 40代ならまだしも、50代の現役アスリートとなると非常に限られてくる。ましてやフィジカルコンタクトが激しい、もしくは足腰に負担がかかる競技となれば、なおさらだ。相撲、バスケットボール、バレーボール、ラグビーなどはその部類だろう。

 華吹は2021年大相撲初場所、序ノ口で勝ち越し。50歳以上での勝ち越しは116年ぶりの偉業だったことが話題になった。華吹の最高位は今からさかのぼること17年強、2003年九州場所での東三段目18枚目とのことで、相撲を取りつづけるモチベーションは並大抵のものではないだろう。

 不惑を迎えても、チームが戦力として認めている選手もいる。例えばジェフ・ギブス(1980年8月4日/41歳)は2020-21シーズンも37試合に出場している。ちなみに同じ宇都宮ブレックス所属で、ここ20年の日本バスケットボール界をけん引した田臥勇太(1980年10月5日/41歳)も同学年だ。

 北京五輪男子バレー代表のミドルブロッカー松本も堺ブレイザーズで頑張っている。2月21日のVリーグFC東京戦ではリーグ通算400試合出場を達成するなど、健在ぶりを示している。

武豊の2学年上、柴田善臣も健在です

◇中央競馬
騎手:柴田善臣(1966年7月30日/55歳)
馬:オジュウチョウサン(10歳)

 競馬で年齢といってまず思い付くのは、レジェンド武豊(1969年3月15日/52歳)だろう。JRA・GI通算77勝、通算4254勝(以下すべて2月24日現在の成績)などの偉大な通算記録はもちろん、2020年も関西リーディング5位の115勝を挙げている。

 しかし武豊よりも2学年上の柴田善臣も、今年すでに3勝をマーク。1990年代後半から2000年代前半にかけて計8回の100勝以上をマークした関東屈指の名手だが、1ケタ勝利に終わったのは1986年と2018年だけと、息の長い活躍を見せている。2月には左足小指を骨折しながらも、すでに実戦復帰しているタフさだ。

キングヘイローにまたがり高松宮記念で勝利した柴田善臣©Tomohiko Hayashi

 馬に目を移して……特に大器晩成と言えるのが障害で史上最強とも言われるオジュウチョウサンだろう。

 5歳で本格化して以降は障害重賞13連勝など圧倒的な強さを見せ、7歳時には武豊を鞍上に迎えて有馬記念にもチャレンジした。2020年も中山グランドジャンプ5連覇などを達成、むしろ京都ジャンプSで3着に終わり、それが話題になったことこそオジュウチョウサンの凄味と言えるだろう。たいていは4〜7歳、早い馬なら3歳で引退するのが競走馬の厳しい世界だが、10歳となった2021年も現役を続行、中山グランドジャンプ6連覇に照準を合わせているというのだから頭が下がる。

プロ野球だと野手・投手最年長とも“あの球団”

◇プロ野球
福留孝介(1977年4月26日/44歳)

 今シーズン、阪神から古巣中日へと復帰した福留。大リーグでも4シーズンプレーし、日米通算安打は2407本というレジェンドだ。松井秀喜の三冠王を阻止して首位打者を獲得したのは19年前の2002年、セ・リーグMVPを獲得したのが15年前の2006年である。ただ阪神に所属した2010年代後半も5年連続2ケタ本塁打をマークしている。

 そんな福留がPL学園で超高校級スラッガーとして注目を集めたのは1995年、春と夏の甲子園である。これもまた今から26年前……四半世紀の時を経て、今もなお現役プレーヤーでいるのだから恐れ入る。

 投手の最年長は誰かと言うと……こちらも中日勢で山井大介(1978年5月10日/43歳)だ。福留の1学年下の山井、語り種と言えばもちろん、2007年の日本シリーズ第5戦の“幻の完全試合”である。

 緩急自在の投球で日本ハム打線を8回パーフェクトに抑えた山井は、1−0で迎えた9回のマウンドに上がらず。絶対的クローザー岩瀬仁紀が締めくくり、中日が53年ぶりの日本一を達成した。落合博満監督の采配には賛否が集まったが、山井の名前が世間に知れ渡るきっかけとなったのは確かだ。2020年は2009年以来となる勝ち星なしに終わった山井だが、43歳となる今季もう一花咲かせられるか。

 なお中日と言えば、かつて山本昌が50歳まで現役を貫いた(それも十二分な戦力として)。レジェンドとしての系譜を福留と山井が継いでいるのかもしれない。

 30代後半〜50代の大ベテランの活躍は、同世代の“オジサン”にとっては生きる勇気になる。若き新星の活躍もいいが、味のあるプレーで新たなシーズンを沸かせてほしいところだ。

文=茂野聡士

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