一風変わったフェラーリをご紹介。<ドローゴ250 GT"ブレッドバン">

その姿から"ブレッドバン"(パン屋のバン)と呼ばれるこのフェラーリは、モデナのカロッツェリア、ネリ&ボナチーニがわずか14日間で製作したフェラーリである。依頼主はジョヴァンニ・ヴォルピ・ディ・ミズラータ伯爵だ。

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ベースとなったのは、1961年パリ1000kmレースでクラス優勝した250 GT SWB。1962年5月にサーキットデビューを果たしている。一時、フィアットの元名誉会長であったジャンニ・アニェッリの元へ渡ったが、その際アニェッリはこのフェラーリが霊柩車のような風貌であることから、一種のジョークでブラックにペイントしたともいわれている。

数人のオーナーに所有されていたが、フェラーリのイベントでは本物のフェラーリではないと周囲から歓迎されないことも多々あったそうだ。今もヒストリックレースで活躍しているが、時として制限されたクラスのみで参加可能という場合もある。レース参加などを重ねている中で、少しずつレストアも施されており、オリジナルの姿ではなかった。しかし、2007年にオランダのコーチビルダーが1962年当時の姿にまでフルレストアを行い、現在もそのままで保管されている。

フェラーリの歴史の中でも、極めてユニークなスタイリングを持つ一台だといえるだろう。