最も有名なポルシェ911 GT3 RSとの思い出を、ロンドン出身のフォトグラファー兼フリーランスジャーナリストであるザイード・ハミッドが振り返る。

10代の頃、家に帰ると最新のスーパーカーがたくさん載っている雑誌が届いていて、それこそが夢への入り口でした。運転教習車のハッチバックの荒々しいエンジンサウンドが、ル・マンのために生まれたメツガー・エンジンのようにも聞こえることもありました。特に気に入っているページは、スレートグレーで仕上げられ、ホワイトゴールドホイールを履いた上品な997.2 GT3 RSでした。

10年以上経っても自分自身はほとんど変わっていません。今でも目を閉じて、オフィスの椅子がカーボンのバケットシートで、ハイスピードで走っていることを想像します。今の違いは、お気に入りの田舎道でGT3 RSを運転するのがどんな感じか正確にわかっているということです。



イギリスのジャーナリストの間では、ナンバープレートに由来するニックネーム「Hebe」として知られるGT3 RS。頻繁に雑誌、テレビ番組やYouTubeのスペシャル番組で登場しており、現在はポルシェGBの管理下に置かれています。

2020年は最初のGT3、つまり996世代の誕生から20年です。その車が発売されてから10年後、997.2 GT3 RSが登場し、今日でも高い評価を得ています。997世代は、伝説のメツガーエンジンを使用した最後の世代であり、ポルシェがRSモデルにマニュアルを載せていた世代としても最後でした。だから、私は魅了されたのです。

Evoマガジン、TopGearをめくり、Chris Harrisなどがこの車をトラック上で滑らせなが走っているのを見ると、Hebeが伝説的な地位を獲得したことは否定できないでしょう。しかし、10年も経つと、使用の兆候が背面のプラスチックスクリーンに反映され、透明から乳白色に変わり、悪名高い黄色のブレーキキャリパーが少し輝きを失っています。インテリアは、ハンドブレーキのアルカンターラが摩耗しており、シフトレバーとステアリングホイールは交換済み。オリジナルのギアノブはポルシェGBの本社にあり、ステアリングホイールは元の社長に贈り物として贈られました。



そして何より、この車は生きているようなサウンドを響かせます。エンジンの回転が8500rpmでピークに達すると、遠吠えに変化。Hebeはドライブするたびに私に強い印象を刻み付けてきました。貸りている間、1日を終えてドライブのことを考えながらベッドに入り、目が覚めたらまたバケットシートに座るための理由を探してしまう。

この世代のGT3 RSは、シュトゥットガルトで生まれた最も偉大なスポーツカーとして、永遠に語り継がれていくでしょう。