大分市を流れる大野川で護岸や橋脚付近の河床低下が進んでいることが国土交通省の調査で分かった。県内に記録的な大雨をもたらした2017年9月の台風18号など、度重なる増水で最大数メートル削られた可能性がある。さらに浸食が進行すると最悪の場合、堤防の決壊や橋の倒壊につながる恐れもあるという。同省は原因究明を急ぎ、本年度中にも対策を示す方針だ。

 国土交通省大分河川国道事務所(大分市西大道)の資料によると、18年3〜8月に実施した調査で判明した。国が管理する同市竹中・上戸次から河口までの約19キロ区間で測量をした結果、流れがカーブしている箇所などで護岸付近の川底が削られていた。最も進行している場所の一つの大津留地区では、川底の最も深い箇所が1972年に比べて5メートルほど低くなった。
 あとどのくらい低下が進めば決壊などに至るかは「予測できない」(担当者)ものの、堤防護岸の基礎部分より下まで削られれば危険性が高くなる。同省は2019年に入り、大津留地区や種具地区など計6区域を中心に抜本的な対策を講じる必要があるとみて検討に着手した。
 橋を支える脚の周りでも川底が深くなっている場所が見つかった。大野川に架かる12の橋のうち6カ所、同川から分かれる乙津川でも12カ所中3カ所の橋で低下が見られた。具体的な場所は「住民に不安を与えかねない」として非公表。県、大分市によると、現時点で通行止めなど緊急の規制や修繕が必要なレベルには至っていないものの「状況を注視する」という。
 同省によると、大野川の堤防などを整備する際の目安とした目標流量は毎秒9500立方メートル。近年は度々、大雨に見舞われ、17年の台風18号では初めて目標流量を超える毎秒9981立方メートルを白滝橋(同市下判田、中戸次)付近で観測した。記録が残る1953年以降で最も多かった。
 河床低下はこうした増水が影響したとみている。低下を確認した箇所で護岸の基礎を補強するブロックの設置など対処をしてきたが、根本的な改善には至っていない。今回は従来の対策に加え、川のカーブを緩やかにするなど水流が河床を削る力を軽減する工事の実施を検討している。
 県内を流れる国管理の大分川、番匠川、山国川や、花月川など筑後川の支流で同様の対策をする必要は今のところないという。
 大分河川国道事務所は「全国的に水害が相次いでいる。調査・検討を急ぎ、効果的な対策を示したい」と話している。