佐伯市で食品卸売業などを手掛ける「Up」(アップ、加藤篤司代表取締役)は、県産養殖ブリの内臓を使ったチャンジャ(韓国風塩辛)「ブリチャン」を開発した。未利用の部位に新たな価値を付加した国内初の商品で、地域の新たな特産品を生み出す取り組みに県や県漁協も協力。1月から一般向けの販売を始め、徐々に販路を拡大する計画だ。
 佐伯市は日本有数の養殖ブリ産地。米水津地区にある県漁協の水産物加工処理施設は年間60万匹以上をフィレなどに加工し、全国に出荷している。ブリ加工は地域の中核産業だが、処理の過程で出る大量の内臓はほとんどが廃棄されていた。
 地元の漁師は昔から、ブリの胃袋を煮たりポン酢をかけたりして食べており、加藤代表取締役が「全て捨ててしまうのはもったいない」と商品化を模索。内臓を施設から譲り受け、2018年から県の補助事業を活用してチャンジャ作りを始めた。試行錯誤を経て、効率の良い胃袋の洗浄方法を考案した。
 国内で流通するチャンジャは原料にタラを使っており、そのほとんどが海外産。一方、県産養殖ブリは安定供給が可能で餌の安全性も保証されており、食の安心・安全を消費者にアピールできるのが強みという。今後、年間6トンを生産する計画。
 昨年11月に内臓処理専門の工場を整備し、外食産業向けの販売を開始。県内のすし店や居酒屋で提供されている。一般消費者向けは40グラム500円(税別)、80グラム800円(同)。道の駅やよい、かまえインターパークなど同市内の物産店や大分空港(国東市)などで販売している。
 高浜航県商工観光労働部長は「付加価値の高いものを生み出してくれた。大分らしさをアピールできる商品」と期待。加藤代表取締役は「佐伯の新たな特産品に育て、事業が軌道に乗れば加工拠点も増やしていきたい」と意気込んでいる。