「米軍は何を考えちょるんか」。陸上自衛隊日出生台演習場で実弾砲撃訓練を続けている在沖縄米軍は14日、地元の要望を無視する形で午後8時以降の砲撃を繰り返した。「もう言葉もない」。監視していた住民らは憤った。
 訓練3日目。米軍は午後6時からの2時間は一発も撃たず、暗闇の演習場内は静寂に包まれた。
 砲撃音が突然鳴り響いたのは同8時4分だった。「撃った」。演習場近くの高台に住民グループが設けた監視小屋でメンバー5、6人が驚きの声を上げた。
 その後も米軍は立て続けに発射。白リン弾とみられる砲弾も10発以上撃ち、着弾するたびに周囲が数十秒間にわたってオレンジ色の光に染まり続けた。
 指揮官を務める大隊長のリチャード・ロビンソン中佐(43)は、13日に演習場内で開いた住民らへの説明会で「地元との絆を築くきっかけにしたい」と強調。一方、夜間砲撃の自粛について周辺自治体と九州防衛局が結んだ協定や確認書に質問が及ぶと「最低限必要な訓練を遂行する」と答え、午後8時以降の砲撃を否定しなかった。
 演習場周辺は高齢世帯や畜産農家が多く、夜間訓練は平穏な暮らしや子牛の繁殖などに支障が出る―と住民は訴え続けている。
 ローカルネット大分・日出生台の浦田龍次事務局長(56)は危機感をあらわにした。「訓練拡大の歯止めとして協定と確認書があるはずなのに、なし崩しにされかねない」
 米軍が午後8時以降に砲撃したのは2015、17年に続いて3回目だ。同グループによると、この日は午前8時25分〜午後8時58分に計49発の砲撃音を確認。同9時に終了合図のサイレンが鳴った。
 地域の安全と安心を守るために、沖縄県からの訓練移転当初から反対運動を続ける日出生小野原の畜産農家衛藤洋次さん(60)は「地元の声は国や米国に届かないのかと思うと悔しい。絶対に諦めない。抗議の声を上げる」と怒りで声を震わせた。