“かじ取り役”担う大学生

“かじ取り役”担う大学生

 県内の児童ら総勢600人が参加した第39回県少年の船には大学生13人が乗船した。班長の高校生を支え、イベントを企画するなど船内生活のかじ取り役を担った。
 九州女子大3年の上原嵯理さん(21)=日出町出身=は、昨年に続く参加。前回は自分の役割に集中しすぎて周囲に気配りできなかった。今回は4泊5日の行程中、全体を把握するのが目標だ。
 3日目の夜、上原さんは女子児童と廊下に座り込んでいた。児童は泣いている。集団行動になじめない―。
 保健係の団員や班長と協議した上で、その子と一対一で話した。約束事を紙に書き、できることを一つずつ確認した。翌朝、児童は落ち着きを取り戻し、笑顔も見せた。
 「泣いてくれたことで、すっきりしたのかも。じっくり耳を傾ける大切さを実感した」。上原さんは将来、小学校教員を目指す。
 福岡教育大2年の大塚美咲さん(19)=大分市出身=はレクリエーション係を選んだ。「子どもらに楽しんでもらうには、自分も楽しく」がモットーだ。
 4日目の朝、大塚さんは疲れた顔をしていた。船内最後の夜は、レク係にとって最大のイベント、ファイナルパーティーがある。船内の見守りやパーティーのリハーサルなどで「あまり眠れていない」。
 迎えた本番。会場は子どもらの歓声に包まれ、大塚さんは係の仲間とタッチを交わした。笑顔があふれる横で、「もう少し頑張れたのではないか」との思いもよぎる。自分は笑顔だったのか、楽しめたか―。振り返る時間が必要だ。
 別府大3年の斉藤映菜さん(21)=大分市=は、周りを見て行動できるようになりたい、と生活係を希望した。団員に規則を守らせ、指導する役割。みんなの行動に目を配り、時には厳しく対応した。
 最終日のお別れ会。斉藤さんは全団員の前に立ち、「本当は、私たち笑顔がすてきなんです」と満面の笑みで感謝の意を伝えた。すぐに表情を引き締め、下船の安全確認をする位置へ移動。たくさんの思い出を抱えて家路に就く児童らの後ろ姿を見送った。
 船旅は子ども、若者の姿を一回り、大きくした。貴重な体験の場を提供してきた県少年の船は来年、40回の節目を迎える。


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