【別府】2016年の熊本・大分地震で、熊本市動植物園から生まれ故郷であるアフリカンサファリ(宇佐市安心院町)に約2年半、一時避難していたライオン「サン」の子2頭が29日、サファリに譲渡された。母はサファリで生まれ育ち、サンと共に熊本に行った「クリア」。2頭は両親の生まれ故郷で新たな生活を始める。
 サファリに来たのは雄の「レオ」と雌の「ココ」。熊本市動植物園で、昨年5月に生まれた。1年以上が経過して2頭とも70キロ前後に成長。人間の年齢なら10歳ほどという。2頭は一緒に生まれた雌の「サニー」と暮らしていた。当初は3頭とも譲渡される予定だったが、熊本市民の要望もあって、サニーだけ動植物園に残った。
 父のサンは、地震による獣舎の損壊で16年4月にサファリに一時避難し、18年10月に動植物園に戻った。母のクリアは復興支援の一環でサファリが無償譲渡。新天地の熊本ですぐに3頭を妊娠、出産した。
 レオとココは新しい環境に慣れるまでの間、動物舎の中で過ごす。神田岳委(いわい)園長は「2頭とも両親によく似ている。とても元気そうで安心した。熊本では非常に愛されていたようだ。サファリの環境に順応できれば、来年春ごろにはお披露目できるかもしれない」と話した。
 譲渡は当初3月末の予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け延期されていた。