原木栽培「焦らずに」国東市のシイタケ生産者

原木栽培「焦らずに」国東市のシイタケ生産者

 平成が終わり、新たな時代を迎える2019年。特産の農産物、伝統ある行事や工芸品、地域づくり…。九州・沖縄の各県には、守り続けてきた“宝”を継承しようとしている人たちがいる。地元紙と共同通信社がリレーで紹介する。

 国連食糧農業機関(FAO)関係者が「木から食糧が生まれる」と驚いたシイタケの原木栽培。大分県国東市の農家末綱宣崇さん(43)は、先人が守り継いできた伝統農法の道を歩み始めている。傍らでは師匠の清原米蔵さん(71)=同市=が優しくほほ笑む。
 大分は質、量ともに全国一の乾シイタケ産地。クヌギの丸太に菌を行き渡らせ、木の養分で育て、2年後に収穫する。国東半島一円の生産は2013年、FAOから「世界農業遺産」に認定された。
 野菜農家だった末綱さんは近くに住む偉大な先輩に憧れ、志した。乾燥重量で年間約8トンを作る清原さんの生産量は県内トップ級。「日本一はどんな仕事をするのか。身近にいるなら見てみたい」。1年ほど前から通い始め、栽培を手伝いながら研修を積んできた。
 驚いたのは仕事量の多さ。次々にできるシイタケの摘み取りと並行し、菌が付いた木片の打ち込み作業なども進める。「全てに目を配らねばならない大変さを思い知った」と末綱さん。段取りや技術を学ぶ日々が続く。
 生産者が年々減る中、次代の担い手育成は大きな課題。それだけに清原さんは弟子の熱心さが頼もしい。
 料理に手間をかけない消費者が増え、水で戻す食べ方はなじみにくくなっている。「でも、無駄こそが人生を豊かにするとの教えもある」。末綱さんにはそんな考え方も心に留めてほしいと願う。
 末綱さんはいよいよ春から自らの農場で栽培を始める。今は木の伐採など下準備を進めている。「焦らず少しずつやっていく」
 師匠は長い目で見守るつもり。「いろいろ挑戦してほしい。60歳くらいになったら自分のやり方が分かるよ」

メモ:農林水産省によると、大分県の原木栽培による乾シイタケ生産量は断トツで全国1位の1043トン(2017年)。県椎茸農協の組合員は18年11月現在で3886人。平均年齢は73歳(16年)となっている。


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