感染が広がる新型コロナウイルスの影響で東京五輪・パラリンピックが1年程度延期されることになり、県内の関係者にも動揺が広がった。出場を目指して練習を重ねてきた選手は、簡単には受け止められない表情。各国の事前キャンプを受け入れる自治体は「今後の準備をどうするか」「日程が変わっても予定通り来てくれるのか」と不透明な先行きを案じた。
 パラリンピックの女子車いすバスケットボールで初出場を狙う安尾笑選手(26)=大分市南鶴崎、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング=は「あと数カ月と思って練習してきた。延期は正直、きつい。切り替えるしかない」と困惑。ハンドボール男子日本代表候補に選ばれ、東京都内で合宿中の久保侑生(ゆうき)選手(31)=同市出身、大同特殊鋼=は「目の前の目標に向かって努力するだけ」と冷静に受け止めた。
 県芸術文化スポーツ振興課によると、大分、別府、日田など5市が延べ10カ国の事前キャンプを受け入れることになっている。同課の山口淳史課長補佐(58)は「内容の見直しは必要になるだろうが、実現できるように努めたい」と話す。
 大分市は日本とイタリアのフェンシング、ポルトガルの陸上などが7月に訪れる予定。現時点でキャンプ中止の申し入れなどはないが、市ラグビーW杯・東京オリンピック・パラリンピック推進局の佐藤善信局長(58)は「延期となれば、結んだ協定が守られるのか不安はある」。
 県内では4月24、25日、約180人が走る計画だった聖火リレーもいったん中止となる。日本泳法「臼杵山内流」で臼杵市内の川を渡るはずだった西水克己さん(64)=同市前田=は「とにかく聖火リレーが本当の姿で実施されるようになってほしい。延期になっても泳げるように練習を続ける」。新型コロナ禍が終息した先にある晴れの舞台を見据えた。