沖縄県国頭(くにがみ)村内の世界自然遺産推薦地で11日夜、ウサギ3匹が目撃された。沖縄生物教育研究会員で生物教員の知花史尚さん(52)が撮影した。元々やんばるの森に野生のウサギは生息せず、希少生物や生態系への影響が懸念される。

 琉球大学の伊澤雅子教授(動物生態学)は「ウサギは繁殖力が強い。増えて野生化した場合、やんばるの希少植物などを根こそぎ食べてしまい、植生を破壊する恐れがある」として、早急な捕獲が必要と指摘する。

 目撃された場所はやんばる国立公園内。黒や灰色の個体だったという。

■強い繁殖力

 伊澤教授によると、ウサギは年に数回繁殖し、1回で4〜10匹の子を産む。また、巣作りで穴をどんどん掘るため、地面がむき出しになって土が海に流出したり、植生を破壊したりする懸念があるという。

 県内で野生化したとの情報は確認されていないが、世界の侵略的外来種ワースト100に含まれているとし、「やんばるの生態系に影響を与える。増えると捕獲できなくなる。少ないうちに対処すべきだ」と訴える。

■マングースも最初は17匹

 やんばるの森では数年前からウサギの目撃情報があった。NPO法人「どうぶつたちの病院沖縄」の長嶺隆理事長は5年ほど前、見掛けて保護したことがある。

 ペットのウサギが森に捨てられているとして「非常に残酷。飼い主は生きられるだろうと安易な気持ちで遺棄していると思うが、ハブなどに捕食されることもある」と話す。

 今回、複数のウサギが目撃されたことに「繁殖する可能性がある。マングースも最初に放たれたのは17匹。重く受け止めるべきだ」と警鐘を鳴らす。

 やんばる野生生物保護センターの小野宏治上席自然保護官は「ペット由来の病気が広がることも考えらえれる。放置できず、対応を検討している」と話した。