沖縄市にある池武当新垣三線店の新垣喜盛さん(78)は三線づくり41年の大ベテラン。伝統的な技法で高品質の三線を作る一方、低価格の三線を多くの人の手にとってもらうことが大事だと考え、革新的な取り組みを進めてきた

▼1991年に蛇皮の下に人造布を張って破れにくくする「強化張り」の方法と装置を開発。特許出願したが、取得せず、ほかの三線店にも技術を広めた

▼98年にはベトナムに工場を建設。質のいい材料を安価で入手し、現地の人に技術指導して完成させた製品を逆輸入し、市場に流通させた

▼沖縄職業能力開発大学校の4年生グループが完成させた「自動三線皮張り装置」にも新垣さんの熟練の技とアイデアが詰まっている。4年前、「誰でも簡単に皮張りできる装置が作れないか」と同校に持ち掛け、歴代の4年生らと共同開発してきた

▼職人によってばらつきのあった張り具合を均質化できる機能が売りだ。胴にあてた皮を木棒でたたき、音をコンピューターで解析。音波の振動数で皮の張り具合の強弱を決められる。熟練職人でも難しいとされる張りの強い九分張りや十分張りも容易になった

▼「お客さんに張り具合を数字で説明できるようになった。基準ができた」と喜ぶ新垣さん。客が望む三線づくりがモットー。最新装置は三線職人の力強い支えになる。(石川亮太)