沖縄県本部町出身の饒平名めいさん(29)=名護市=は祖母の久子さん(86)から教わったみそ造りを受け継ぎ、工房の経営に奮闘している。2月23日に「手づくり工房 ゆひな」を市内でオープン。工場落成式と商品のお披露目会があり、関係者らが門出を祝福した。(北部報道部・當銘悠)

 こうじは米にこうじ菌を繁殖させたもので、饒平名さんのみそは饒平名家先祖伝来の天然こうじ菌を使って造られる。めいさんの曽祖母の故カメさんから祖母の久子さんに伝えられ、めいさんも幼稚園生の頃から久子さんのみそ造りをお手伝いしてきた。手が切れることもあり大変な作業だったが「みそ造りは何よりも楽しかった」と振り返る。

 県外の大学に進学し、1人暮らしでみそがなくなった時には大騒ぎしたほど、みそはなくてはならない存在だ。大学卒業後、沖縄に戻ってくることを決意。久子さんも高齢になり、「今しかない」と、みそ造りを受け継ぐことを決めた。

 饒平名家のみそのこだわりは「天然」で、食品添加物は一切使わない。初夏の風が吹く涼しい時期、4〜6月ごろに仕込みを始め、米こうじと、煮た大豆や泡盛、塩などを混ぜる。米こうじをつくるのは一番重要な工程で、温度や湿度などを見ながら微調整する。共に工房を切り盛りする山城沙紀さん(25)は「たるに入れたらすぐには開けられない。『おやすみ』という気持ちで閉めています」と話す。

 みそを知れば知るほどやりがいを感じるというめいさんは「応援してくれた人たちに感謝の気持ちでいっぱい。もっとみそのことをたくさんの人に知ってほしい」と夢を描く。久子さんはそんな孫を見て「受け継いでくれたことに感謝。涙が出るよ」と頬を緩ませた。

 商品はみそ、みそ玉、しょうゆ糀(こうじ)、あぶらみそ。工房では全商品、道の駅許田ではしょうゆ糀とあぶらみそを販売する。工房は名護市宇茂佐の森1丁目12番地9、時間は平日午前9時〜午後5時。問い合わせは電話、080(8584)4761。

 

(写図説明)手づくり工房「ゆひな」をオープンした(左から)山城沙紀さん、饒平名久子さん、饒平名めいさん、めいさんの父・知也さん=2月23日、名護市宇茂佐の森

(写図説明)「手づくり工房 ゆひな」の商品。(左から)みそ、みそ玉、しょうゆ糀、あぶらみそ