沖縄県議会(新里米吉議長)は23日の本会議で、新型コロナウイルスの影響で収入が減少した世帯へ資金貸し付けなどを行うため、本年度予算を2億2800万円増額する県の補正予算案を全会一致で可決した。27日には、コロナで影響を受けた中小企業への融資資金を積み増すなど、県が提案している170億円の2020年度補正予算案を可決する見通し。総額で172億円の大型対策となる。

 玉城デニー知事は23日の審議で「県内経済、観光などの需要回復に向けた中長期的な対策を実施するフェーズに移った場合、必要に応じて追加の補正予算も検討する」と述べた。渡久地修氏(共産)への答弁。

 嘉数登商工労働部長は本年度補正予算について「子どもの貧困が特に深刻な本県では、ひとり親世帯へ影響が特に深刻と考えられることから、経費に計上した」と説明。企業への影響も大きいため、20年度補正予算では県融資制度の融資枠を160億円拡大する経費を計上していると述べた。照屋守之氏(沖縄・自民)への答弁。

 砂川靖保健医療部長は、海外の検疫強化対象地域などから帰国した人が、検査結果が出るまで滞在費が個人負担になることに「滞在費を支援できるか、他県の取り組みを見て検討する必要がある」と述べた。

 玉城知事は、観光客の減少やイベントの中止などによる県内の社会・経済への打撃のほか、ひとり親世帯など低所得層への影響も深刻だとして「県が抱える特殊事情を考慮の上、国の緊急対策と連動し、県の取り得る対策を切れ目なく迅速に進めたい」と述べた。

 ともに亀濱玲子氏(社民・社大・結)への答弁。

玉城知事 「切れ目なく対応」

 23日に成立した県の2019年度補正予算では、生活福祉資金貸付事業費に2億2800万円を計上した。27日の県議会本会議で採決を予定する20年度補正予算案は計170億円のうち、県単独の融資制度「中小企業セーフティネット資金」に160億円を積み増し、残り10億円を予備費に充て「今後の緊急対策に迅速かつ切れ目なく対応する」(玉城デニー知事)という。

 生活福祉資金貸付は、高齢者と障がい者、低所得者としてきた対象に新型コロナウイルス感染症の影響で「収入の減った世帯」を加える。緊急小口資金として1回10万円、失業などで日常生活が困難な世帯には総合支援資金として単身世帯で月15万円以内、2人以上世帯で月20万円以内を、3カ月間の貸し付けが可能になる。県社会福祉協議会などの相談窓口に必要な経費も含む。

 中小企業セーフティネット資金では、県3分の1、金融機関3分の2の資金で貸し付けする。県が160億円を積み増しすることで、融資枠は480億円拡充する。20年度の当初予算での融資枠は約193億円だった。年0・8〜0・9%の利率で、1企業・組合当たり3千万円以内の融資を受けられる。