玉城デニー知事の主要政策を有識者が議論する県の「万国津梁会議」の米軍基地に関する会議が、在沖海兵隊の訓練や機能を県外の自衛隊基地や国外などに分散し、米軍普天間飛行場の危険性除去を実現した上で運用停止、返還につなげる提言をまとめたことが25日、関係者への取材で分かった。知事に26日、報告する。知事は提言を基に、政府との対話で具体的な基地負担軽減を求める見通しだ。

 政府が名護市辺野古の新基地建設が普天間返還の「唯一の解決策」とする中で、県は政府に新基地建設以外の返還を求めている。

 万国津梁会議も「知事の権限能力を超えることを言うつもりはない」として辺野古の代替案は検討しないとしていた。

 新基地建設の予定地で軟弱地盤が見つかり、工事や工費が増えたことで普天間の返還が見通せない中、同基地周辺では小学校や保育園への部品落下が発生し、所属する米軍機の事故が県内各地で相次いでいる。

 万国津梁会議も軟弱地盤を理由に新基地について「技術的、財政的にも完成が困難になった」とし、辺野古の代替案ではなく、海兵隊の機能分散による普天間の危険性除去の必要性を強調している。

 さらに、米軍が中国のミサイル開発を念頭に置いた戦略として遠隔地に給油地点や海空戦力の基盤となる前方基地を分散的に確保し攻撃拠点とする新戦闘構想「遠征前方基地作戦(EABO)」を検討していることに着目。

 提言書では米軍が全国の自衛隊基地などで日米合同訓練を実施していることを踏まえ、EABOに沿って在沖海兵隊の訓練移転を提言。訓練を分散することで県内での駐留期間が短くなり、普天間の運用停止と閉鎖、返還につなげられるとしている。

 基地の整理縮小の具体的な議論を深めるために日米両政府の政府関係者や経験者、有識者と沖縄関係者でつくる専門家会合の設置の必要性も盛り込んだ。

 万国津梁会議は元防衛官僚で内閣官房副長官補を務めた柳沢協二氏らで構成し、昨年5月から3回の会合を開いてきた。