首里城敷地内の旧日本軍第32軍司令部壕の保存・公開について、玉城デニー知事は26日、本年度中に新たに検討委員会を設置する方針を示した。城間幹子那覇市長と久高友弘市議会議長らの要請の場で明らかにし「那覇市と一緒に検討していきたい」と述べた。

 県は4月に発表した「首里城復興基本方針」で同壕の保存を明記した。活用にはコンピューターを使った拡張現実(AR)などを検討するとしている。

 玉城知事は1960年代に2度、那覇市などによる調査と復元工事があったが、いずれも落盤が発生し断念している経緯に触れ「安全確保の観点から、現状においては一般公開は困難な状況」と説明。その上で「専門家らによる新たな検討委員会を設置し、壕の保存公開や平和発信の在り方などを那覇市と一緒に議論したい」と述べた。

 県女性力・平和推進課によると、2012年度に業務委託した対策事業の調査では、地質・地盤工学の専門家らによる安全性の確認が主で「一般公開ができる状況にない」「直ちに埋め戻す必要はない」などの結論が出たという。

 32軍司令部壕について、城間市長は「沖縄戦の実相を現代に示す貴重な戦跡で、平和の尊さを次の世代へ語り伝え、命の尊さを重んじ恒久平和への思いを育む、平和教育に欠かせない重要な場所」と指摘し、保存・継承と案内表示を含めた公開に向け、整備を要望した。

 市議会は同日の6月定例会最終本会議で同壕の「保存整備と内部公開を求める意見書」を全会一致で可決した。久高議長は「琉球王国時代から沖縄戦、戦後復興に至る歴史を学べる首里城公園へと、さらに充実、向上させることなどを強く要望する」と求めた。