大沢桃子、自ら作詞・作曲手がける演歌歌手の強度

大沢桃子、自ら作詞・作曲手がける演歌歌手の強度

 自ら作詞・作曲を手がける(ペンネーム:仲村つばき名義)演歌歌手・大沢桃子。7月14日に東京・浅草公会堂で公演を行ったように、大沢は1年間に複数回、大型のコンサートを開催しているが、それが実現できているのは、持ち前の人柄の良さはもちろん、やはりシンガー・ソングライターとして活躍している部分が大きい。新曲「すずらんの道」(8月2日発売)について、また彼女の演歌歌手としての強度に迫った。

◆ファンとのふれ合いの中で生まれた新曲「すずらんの道」

――「風の丘」や「京都洛北路」といった作品が、感じたものをそのままメロディーにしたような印象であるのに対し、「すずらんの道」では随所に歌謡ファンが聴いて歌って楽しむための心配りが感じられました。
【大沢桃子】 前作の「恋する銀座」は、グループサウンズを意識したもので、ファンの皆さんにも「聴いていて楽しい」といった声をいただきました。でも、カラオケで歌うならやっぱり演歌が良いという方も多くて、そこは私も演歌ファンの1人としてとてもよくわかりますから、今回は歌っていただける、歌いたいと思っていただける曲にしようと思って作りました。

――ファンサービス、受け手のことを意識しての曲作りは、プロフェッショナルの仕事ぶりですよね。作家としても進化しているのを感じます。
【大沢】 試行錯誤も悩むことも多いので、進化なんて言われると恥ずかしいです(笑)

――未婚の大沢さんが“夫婦歌”を書こうと思った理由は?(作詞・作曲は仲村つばき名義)
【大沢】 たくさんのファンの方々とふれ合う中で、微笑ましいなぁって思うことの1つが、ご夫婦揃ってお出かけくださっている方々に接することなんです。時にはお2人のエピソードを聞かせてくださることもあって、学生時代に当時は不治と言われたご病気だった方が、入院先の看護師さんと結婚されて、幸いなことに長生きなさって。その理由は、「新薬と奥様のいたわりがあったから」とおっしゃるのを聞いて素敵だなぁと思ったことがすごく印象に残っていまして。そこで今回は、「思いやる愛」をテーマに夫婦の姿を描こうと思いました。

――以前には「ハマギクの花」や「うすゆき草の恋」があって、今回は「すずらんの道」。花が好きなんでしょうか。
【大沢】 お花は好きです。今回は、ぼんやりとすずらんの花のイメージがあって、あとで花言葉を調べたら「幸福の再来」だったんです。「再び訪れる」っていうところが良いなぁと思ってタイトルにしました。

――「再び訪れる」と言えば、浅草公会堂での公演は再びどころか今年で5年連続5回目、名古屋ではそれより長い8年連続。お客さんもたくさんいらっしゃっていて、人気の安定を感じます。
【大沢】 秋には秋田、岩手でも開かせていただきますが(9月2日、3日)、私のこのネームバリューで(笑)1年間に複数回のコンサートを開かせていただけるというのは恵まれすぎていると思います。デビューの年から昨年まで、年末のディナーショーを続けていますけど、最初はホテルの大きな宴会場を仕切りで分けて、そのうちの1つのスペースで70名の方に来ていただいたところから始まったんです。それが2回目には、最初に来られた方々が、お友だちやご家族の方を連れて来てくださったので前回より増えて、今では仕切りなしでできるようになりましたし、コンサートも開かせていただけるようになったんです。これは本当にファンの皆さんのお陰で、ありがたいなぁって心から思います。

◆コンサートは創作意欲を刺激される場

――そのファンを集めているのは大沢さんの魅力でしょう。和めるというか、心をほぐされるというか、なんと言っても楽しいので「再び訪れる」人が多いのも納得できます。
【大沢】 もちろん歌を聴いていただきたいですし、自分も歌いたいと思ってくださるのもありがたいですけど、もう1つ、私の歌でコンサートに来てくださった方の心を癒せたらという気持ちがありますから、そういう風に言っていただけると嬉しいですね。

――レコード店ほかで行うキャンペーンも大切にしていらっしゃいますが、そこで得るものとは別の収穫が、大会場でのコンサートにはあるでしょう。
【大沢】 幸せなことに、私は自分で歌を作らせていただいているので、コンサートでカバー曲を歌った時のお客さまの反応や、私自身が「こういうオリジナル曲がほしい」って思ったり、「この曲みたいな作品があれば、もっとステージが映えるだろうな」って感じたりしたものを、その後の歌作りに活かしていけるんです。コンサートは、創作意欲を刺激される場でもあります。

――コンサートが“シンガー・ソングライター 大沢桃子”にとって大切なものであることがわかりますが、大沢さんをはじめ制作スタッフの皆さんが、例えばカラオケではなく生バンドを起用しているように、ステージというものをとても大事にしているのを感じます。
【大沢】 それは事務所の社長の方針でもありますし、小さな事務所ですから、そういう考え方がスタッフ全員に浸透しているということもあると思います。音響や照明だけでなく、衣装や構成なども自分たちでやっていて。というのも、始めは予算がなかったので、自分たちでやらざるを得なかったからなんですが(笑)、だからこそ思った通りにやれるという利点もあって、ずっと手作り感覚のステージをお楽しみいただいています。

――そこにはチェーン店には出せない、家族経営の食堂の魅力に似たものがあると思います。
【大沢】 あ、それですね! それで「おいしい」って言ってもらえたら嬉しくて、「食べたら元気が出た」って言われたらもっと嬉しい(笑)。デビューの頃からどうしたら名前を覚えていただけるだろうとか、また足を運んでくださるだろう、と考えながらやってきたことの積み重ねが、ようやく少しずつ常連さんができて、お仲間を連れて来ていただける「今」に繋がったのかなと思います。私が食べていただきたいメニューと、お客さまが食べたいと思うものは必ずしも同じではありませんけど、きっと一致する時が来ると思って、いろいろ考えているんです。そうやって考えることが楽しいし、それによって成長できると思っています。

――来年はデビュー15周年を迎えます。歌手としても作家としても間違いなく成長されていると思いますが、現在はどんな気持ちで記念イヤーに向かっていますか。
【大沢】 私としてはずっと「今日を頑張れば明日がある」という考えで来ましたから、15周年といってもそれが変わることはないと思います。でも、「こんな歌が聴きたい」、「こういうステージを見せてほしい」なんて声をいただくことが増えてきて、それは期待していただけていることなのかなと思うと、少しでも多くの期待に応えていける自分になりたいという気持ちが強くなってきました。あと、もし記念のコンサートをやらせていただく際には、私の原点である寺内タケシ先生と浅香光代先生に与えていただいたものを、形としてお見せできるようなステージを作れたらと思っています。

(文:寧樂小夜)

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