ジャニーズでも「白髪」を告白、アイドルの正しい年の重ね方とは?

 先日、TOKIOの長瀬智也が映画のイベントで、「白髪」があることをカミングアウトし、話題を呼んだ。他にも、中居正広や嵐の松本潤はバラエティー番組やイベントで同様の発言。白髪染めや増毛のCMに起用された者もいる。かつて、ジャニーズのアイドルたるもの、自身の“老化”を口にすることはご法度だった。だが現在、アイドルは偶像的な存在から、リアルな存在へと変わりつつあるのかもしれない。年齢に抗わないアイドルの正しい年の重ね方、そして世間の受け止め方の変化とは?

■TOKIO長瀬の白髪告白が話題に、CMでも“加齢”を容認

 6月に行われた映画『空飛ぶタイヤ』のイベントで、鼻毛の白髪の有無について問われた長瀬智也は、堂々と「全然ありますよ。ひげとかもすごい」と笑顔で発言。会場からは、どよめきが起こった。しかし、SNS等では「ある程度の年齢になれば生えてくるもの」「白髪があってもカッコイイ」「素敵な歳の重ね方として、自然でいてもらいたい」と、好意的に受け止めた人が多かった。

 また中居正広は、2014年ころからラジオで自身の白髪について言及。近年はバラエティー番組でも「こう見えて白髪がすごい」と何度も告白しており、そればかりか「サイドから襟足にかけてほとんど白髪」と具体的な“箇所”まで明かしている。しかも“白髪アピール”はそれだけに留まらず、「いつ(白髪を)出そうか迷っている。ジャニーズで白髪の人がいないんだったら、俺が一発目いきたい」とまで考えていることを打ち明けた。同じく、関ジャニ∞の村上信五も、ラジオ番組で“白髪枠”を狙い、白髪染めのCM出演を目標に掲げているような発言。嵐の松本潤も、2015年に行われたイベント『嵐のワクワク学校』で、「白髪あるよ」と口にしている。

 そんな彼らの言動が影響しているのか定かではないが、ジャニーズのタレントが発毛促進剤や白髪染めのCMに起用されることが増えてきた。2015年にはKinKi Kidsが発毛促進剤『カロヤン プログレ』CMに出演。2017年に白髪染め『メンズビゲン』CMに起用された滝沢秀明は、驚きつつも「10代20代では想像できなかったけど、僕も30代に入り、そろそろそういった時期を迎えるので、ある意味大人になったんだなと」と感慨深げな発言。現在は、TOKIOのリーダー・城島茂が、アートネイチャーの増毛法『マープ リボーン』のCMに出演中だ。これらは、ジャニーズ事務所が“加齢”に関するイメージを容認しているとも言えるだろう。

■アイドル黄金期は“白髪”以前に解散、バラエティー進出で生じた“弱み”を出す必要性

 様々な年代のジャニーズタレントが活躍している現在。だが、“アイドル黄金期”と呼ばれた1980年代は、“アイドルといえば若くて元気”というイメージが顕著だった。当時は男性でも、芸能人水泳大会で活躍したり、ショートパンツ姿で歌い踊る姿こそ、アイドルらしさとして受け止められたものだ。しかし、そういったグループもピークが過ぎると、ほとんどはメンバーが20代のうちに解散。シブがき隊や男闘呼組、光GENJIら80年代から90年代に活躍したアイドルは、白髪が生える年代までグループ活動を継続していない。黄金期は、アイドルも視聴者も加齢を実感することなく、その活動を終えていたのだ。

 また、そんな時代を経て、歌番組が減ったこともアイドルにとって大きな変化となった。虚構の中で輝いていたアイドルたちは自らの場所を失い、バラエティーへと新たな場所を模索。SMAPの初期の活動が、まさにそれを物語っている。小奇麗なばかりではいられないバラエティーで活躍するためには、アイドルも自らの隠したい“弱み”をさらけ出すことが求められる。そうして彼らは少しずつ“現実”を打ち出し、視聴者もそれを受け入れる素地が固まっていったとも言える。

■かつてはご法度だったものの、現在では多くグループが年齢の壁に向き合う

 1990年代から2000年代にデビュー、活躍するジャニーズのグループは、25年活動したSMAPを除き、すべてが現役だ。そして、最年長のTOKIO以下、KAT-TUNまでのグループは全員が30歳以上であり、アラフォー世代も多い。もちろん、メンバーの年代に応じた変化は生じており、ドラマでは年齢に応じた役柄へと推移、歌う曲も年齢にふさわしい内容へと徐々に変わってきている。

 バラエティーでも、自分の短所をさらして自虐したり、マイルドに「おじさん」と称して笑いを取ることもしばしば。だが、現役アイドルが自身の白髪に言及するような、生々しい“現実”を世間一般に公開することは、これまでほとんどなかった。冒頭の中居正広の“白髪告白”が、ある意味で扉を開くことになったのか、2015年前後からこうした年相応ぶりを明らかにする動きが活発になってきている。

■視聴者やファンの受け取り方も変化、無理ある若作りへの拒否感も

 では、そんな“告白”を受け止める側はどうか?

 アイドルのファンは、長い期間パーソナルな部分まで含めて応援している人が多数。若い頃から彼らを見守っていることもあり、「私もそうだ」と共感する人が多い。KinKi Kidsの堂本光一も、コンサートではよくファンとともに歳を重ねてきていることをネタにしており、それが一種の“絆”ともなっている。

 一方、一般視聴者にとっては普段が若く見えるアイドルだけに、「もうそんな年か」という驚きは大きいようだ。だが、批判されるわけでもなく「人間だから当たり前」「気取っていなくて良い」と、大多数は好意的に受け止めている。とくに男性視聴者は、アイドルも自分と同じように年を取ることに共感を覚えているようだ。

 むしろ現在では、ジャニーズアイドルに関わらず、男性でも女性でも、無理のある若作りのほうが批判される風潮にある。若さを保つ美容や画像の技術は進歩したものの、一般の人もまた、それらの“欺瞞”を見破れるようにもなった。もちろん、いつまでも若々しく、美しくあれるように努力する様には憧れる。だが、やりすぎるくらいであれば、世間はありのままの姿のほうに魅力を覚える。染めることなく白髪頭でメディアに登場したフリーアナウンサーの近藤サトが、その姿勢を賞賛されているように。

■アラフォー・アラフィフの現役男性アイドル、正しい年の重ね方とは?

 実際に、一部ではジャニーズアイドルの高齢化を心配する向きもある。だが、活躍する期間が長くなれば、タレントの年齢も上がることは必然であり、避けられないこと。本人も発信する側も、“虚像としてのアイドル”から、年齢に抗うことなくありのままを見せる“リアルなアイドル”へと、売り方の方針も変わってきているようだ。視聴者側もまた、一時の熱狂だけではなく自然な流れとして受け入れ、両者はソフトランディングしつつあるように思える。これもまた、ある種の“成熟”と言えるのかも知れない。

 ここまで白髪を告白したタレントたちは、すでに“国民的”ともいえる人気や知名度、実力を兼ね備えた者ばかり。ある意味、白髪の告白は「そんなことでは動じない」という自信の裏返しにも見える。加齢などには左右されないタレントとして、次のステップへ進む意思の表れとも言えるだろう。

 アイドルとて、年齢に応じた魅力を発揮できるか否かが、長く活躍する鍵となる。そして、そんなアラフォー・アラフィフの現役男性アイドルを、初めて目にすることになるのが現在の視聴者だ。彼らがどのように変化し、進化していくのか。新たに示されるアイドル像と、年齢の重ね方を見届けたい。
(文:今 泉)


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