今年で40周年を迎えた『ヤマザキ春のパンまつり』。先月27日、コロナの影響により公立休校が発表されると、この長寿イベントが突如注目を浴びた。

 「小中高まで臨時休校そんな中ね……中止になってない祭りがあるんですよ……ヤマザキ春のパンまつりって言うんですけど」「学校が休校になってもライブが中止になっても無くならない日本最大級の祭りがありますヤマザキ春のパンまつり」というツイートが、ともに20万近くのいいねがつく反響があったのだ。すっかり恒例イベントとして定着しているが、40年経ってもこれほど話題を呼ぶキャンペーンは珍しい。その人気の秘訣とは。

■総出荷枚数5億の“白いお皿”のデザインも40回考案、応募殺到で急遽増産した年も

 上記2つのツイートは、たまたま別々のアカウントから同日につぶやかれ、どちらもバズを生んだ。「みんな祭りに飢えてる」「殺伐としたTLに癒し」「人数規模でコミケや嵐のツアーを上回ってそう」などのコメントも寄せられ、同キャンぺーンの認知度と好感度の高さがうかがえた。
 開催初日には新聞やHPで40年分のお皿のデザインが掲載され、早速話題になっていたが、山崎製パン・マーケティング担当の中山雄介さんに反響を聞いた。

――今年も盛り上がっていますね。

【中山雄介】40回目を迎えた今年は、これまで以上にお客様へ感謝の気持ちをお伝えしたいという思いで例年以上に力を入れてきました。若い世代のお客様にもより楽しんでいただきたいとの考えから、ツイッターに『春のパンまつり』公式アカウントも開設し、同キャンペーンのトリビア情報などを発信しています。お客様のつぶやきが話題になっていることをニュースで見て、ご期待に応えられるように取り組んでまいりたいと気持ちを新たにしました。

――この40年間、キャンペーン参加者からも様々な声が届いているのでは?

【中山雄介】長年続けてきたことにより、お客様の家にある白いお皿の種類も増えてきて、「これはあの年のあの時にもらったお皿だ」などとそれぞれに思い出があるようです。また、様々な年齢層のお客様から「毎年、楽しみにしている」という声を頂きます。

――40年分のお皿のデザインを考えるのも一苦労ですよね。

【中山雄介】1981年の第1回目から40年にわたって、毎年新しいデザインを選定してきました。最近はお客様から「毎回デザインを楽しみにしている」という声も頂いています。今回の『白いフラワーボウル』については、昨年の3月頃から流行やトレンドなどを基にデザインの検討に入り、8月頃には10種類程度に絞りました。さらに消費者モニターからのご意見を参考に、サイズや使い勝手について検討を重ね、11月に決定しました。現在はすでに来年お配りする白いお皿のデザインの検討に入っています。

――これまでの総出荷枚数は5億を超えてるとのことですが、特に引き換え枚数が多かった年などはあるのでしょうか。

【中山雄介】最も多かった年は2012年です。例年、平均1200〜1500万枚の白いお皿をお引き換え頂いていますが、2012年の『白いモーニングボウル』は小ぶりなサイズであったため、1枚と引き換えできる点数を通常の25点から20点に設定したことと、使い勝手の良さから予想以上にご好評をいただいたことが相まって、最終的な引き換え枚数が約2200万枚に達しました。

――お皿はフランス製ですよね?すぐに対応できるものなのですか。

【中山雄介】毎年白いお皿は、過去の引き換え枚数と売上予想から必要な数量を予測して発注しますが、2012年は急遽増産を製造メーカーに依頼しました。ただ、フランスから船で2ヶ月かけて運ばれてくるため、引き換え期間を延長して対応することになりました。

■景品、交換方法、イメージキャラクターも全て「変更を検討したことはない」

――各メーカーでは、手軽にSNSでエントリーするキャンペーンが増える中、『春のパンまつり』では、シールを集め、景品は店舗で直接受け取り、という昔ながらの参加方法で変わらないですよね。

【中山雄介】毎年より多くのお客様にご参加いただけるよう、慣れ親しまれている方法を継続させて頂いています。SNSキャンペーンではアカウントをお持ちでない方が参加できませんし、従来の方法で台紙にシールがたまっていくのを見るのを楽しんでいただいているという声も聞きます。毎回、白いお皿の引き換えにご協力いただいているお取引店様には、心より感謝申し上げます。

――なぜ応募枚数がシール“25点”分なのでしょうか。

【中山雄介】3ヵ月の期間中に、週に1度食パンをご購入いただくとともに、菓子パンなどを少し買っていただければ、白いお皿1枚と引き換えできるような配点になっています。例えば、3人家族のご家庭で、配点が2点の食パン『ロイヤルブレッド』を毎週1斤ご購入いただくとともに、菓子パンの『ランチパック』や『北海道チーズ蒸しケーキ』などを1,2個ご購入いただくと、白いお皿1枚とお引き換えいただけます。

――開催時期が春なのはパン需要が増える時期だからということとのことですが、それは  なぜだと思われますか。

【中山雄介】春は、気候的に食欲が増してくるシーズンであるとともに、新生活がスタートする慌ただしい時期であるため、手軽でおいしいパンは朝食を中心に食卓に上がる機会が多いからだと考えています。

――『春のパンまつり』といえば松たか子さんが思い浮かぶ方も多いと思います。“マンネリ化”を恐れることなく、キャンペーン内容やイメージキャラクターを変えていないことにも特別な思いがおありですか。

【中山雄介】お客様から高い支持を得られていることと、朝のさわやかなイメージが似合うことから、松さんにご出演をお願いしています。1998年から継続してCMにご出演いただいていることで、「松たか子さん=ヤマザキ春のパンまつり」というイメージが定着していると思います。

――長年松たか子さんとご一緒にお仕事をされる上で、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

【中山雄介】撮影中、松さんには白いお皿をお持ちいただくことがたくさんあります。白いお皿は、その年のデザインによってきれいに見える角度や持つ位置があり、なかなかコツをつかむことが難しいのですが、松さんはすぐにコツをつかまれて、カメラに向かってきれいに白いお皿を見せてくださいますので、驚かされます。

――これだけ長い間愛されるキャンペーンは珍しいと思いますが、人気の秘訣は何だと思われますか。

【中山雄介】これまで起用タレントの変更、白いお皿という景品、交換方法まで変更を検討したことはありません。やはり“変わらないこと”こそが皆様への安心・信頼に繋がり、「毎年楽しみにしている」という声まで頂けるようなキャンペーンに成長できたのだと感じております。パンやお菓子のほか、実はおにぎりも対象商品で、色々なおいしさを味わいながら点数シールを集めることができ、25点分集めればもれなく白いお皿がもらえますので、ぜひともご家族の皆さんで楽しみながらご参加ください。