「ガンダム」シリーズの“音楽”を特集するNHK-FMのラジオ番組『今日は一日“ガンダム”三昧Z(ゼータ)』が6日、生放送。声優の榊原良子が出演し、コロナ禍の現状に苦しむ人へ温かいメッセージを送った。

 『機動戦士Zガンダム』でハマーン様ことハマーン・カーンを演じた榊原は「よくもずけずけと他人の心の中に入る。恥を知れ、俗物」と登場するなり、名せりふを再現。ファンを沸かせた。

 『Zガンダム』のオファーを振り返ると「当時はロボット大戦モノのアニメ―ションが多かった。ストーリーとしては善悪がはっきりしているものがほとんど。その中でガンダムだけが違った。富野(由悠季)さんは『悪人も善人もいない』と話していた」と話し「私は戦時の中での人間。若い方が中心となって描かれていることで、複雑な思いを抱いていた。父と母は第2次世界大戦を経験していまして、中学生から戦争の話を聞いていた。『今ある平和は亡くなった多くの尊い命の上にある。その平和は守っていかなければならない』と。ガンダム作品で戦争の中での人間を演じるに当たって若い人たちが戦いで亡くなるのが美化されたりしたら嫌だった」と複雑な思いを抱えて、参加したそう。

 そんな心境で臨んでいたこともあり「当時、誰にも語らずにトライしていた。ハマーン・カーンをやってはいるんですが、どうしたら戦いを美化させずに演じられるのか、を。正しい手段でも手段を間違えれば平和をことごとく壊してしまう」と役作りを回想。ただ、「カッコよくてステキでファンが多い」という反響を得たことで「青ざめました。役作りを間違えた…。若かったから自分の中で未熟さが際立っちゃって」と口にしていた。

 また、終盤にはコロナ禍に多くの人が苦しむ現状にコメント。「つまんないと思ってもいいじゃない。いつまで続くんだよって腹立ててもいいじゃない。自分がこれからどうなるんだろうって不安になってもいいじゃない。自分は我慢が足りないのかなって自分を責めててもいいじゃない。他の人は楽しそうなのになんで自分だけって不満たらたらしたっていいじゃない。そんな自分が恥ずかしいって落ち込んだっていいじゃない。人間なんだもの。人間なんだから、そうなったっていいじゃない。だって、それでも今、何をしなければならないか分かってるもん。自分を守ることが他人の命を守るのだって、みんな分かってる。その分かってることが1番、大切」とメッセージ。

 そして「誰かが言ってた。明けない夜はない。そして私は言いたい。やがて日は必ず昇る。みんなで一緒に日が昇るのをしっかりと見よ。今までに1度も見たことない素晴らしい日の出だよ。その時、みんなが同じ最高の達成感を分かち合える」と終息後の明るい未来への思いを語った。

 最後は「ガンダムの中でも成功したり、失敗したりを繰り返していく。大きな失敗、苦難を乗り越えた後に必ず新しいものが生まれる。繰り返す中で人間は進化する。今、苦しい人たちがいると思う。新しい時代を共に助け合って、よりよい人間らしく生きられる世界を作っていきましょ。もしかしたら私に残された時間はちょっとしかないかもしれないけど、ギリギリまで私は頑張る。だから頑張ろ」と優しい声で呼びかけていた。