NHKで放送中の大河ドラマ『麒麟がくる』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)は、いよいよ前半のクライマックス。第17回(10日放送)「長良川の対決」では、斎藤道三(本木雅弘)と高政(伊藤英明)の骨肉の争いが描かれる。主人公・明智光秀(長谷川博己)は道三に思いとどまるよう説得を試みたが、もはや戦を止めることはできなかった。

 高政は国衆の大半を味方につけており、いくら戦上手の道三といえども圧倒的に不利な状況だった。高政に領地替えをほのめかされた明智光安(西村まさ彦)は道三のもとへ向かった。明智家の存亡にも関わる一大事に光秀が出した答えは「敵は高政様」だった。

 高政を演じる伊藤は、かつての美濃、岐阜県出身で、かねてから道三のファンだったという。一方、高政のことはあまり好きではなかったが、『麒麟がくる』で高政の人生を演じて印象は「180度変わった」という。

 「演じさせていただく役にはいつも愛情を持って演じたいと思っておりますが、今回の高政は父親殺しの汚名ばかりが先立って、彼の功績には目を向けた事がなかったのでなかなか好きにはなれませんでした。しかし、長良川の戦いで高政のもとに集まった兵力は1万5千に対し、道三には2700の兵しかいなかったと言われています。道三の不満は高政だけではなく、美濃は多くの国を敵に回していたのです。そして、道三を倒した後、高政は他国との関係を改善しようと尽力したようです」(伊藤)

 第16回では、出自にこだわっていた高政が、「真の父親が誰であろうと、この国の者はわしが土岐源氏のち筋であることを願っている。いずれ将軍家に守護の座を願い出る時もそのほうが都合がいい」と、計算高い面を見せる場面もあった。

 「高政は自分の出自に疑問を抱き、ものすごくジレンマと葛藤で、気持ちが揺れ動きますが、高政は道三からの愛情がまっすぐに欲しかったのではないでしょうか。偉大すぎる父を持ち、そして世の中に、時代に翻弄されたんだと思います」(伊藤)

 第17回でついに長良川を挟んだ戦いが始まる。一進一退の攻防が続く中、自ら大軍を率いて押し寄せていった高政により、次第に道三軍の敗色が濃厚になってゆく。

 伊藤は「人に翻弄され時代に翻弄されている中で、高政がどのように長良川の戦いに向かうのか、どうやってあの偉大なる父・道三と戦い、どのように終えんに向かっていくか、高政の終えんをどう迎えていくか、楽しみに見ていただきたいです」と、見どころを促した。

 最後に「この長良川の戦いでひとつの時代が終わり、光秀も世にやっと出ていき、三英傑も活躍して、これからもっとおもしろくなると思います。今回どの役も全く新しいイメージで描かれているので、僕自身も今後が楽しみです。僕自身はクランクアップしてしまいましたが、もう一度出演したくなりました(笑)」と、コメントを寄せていた。