コロナ禍の影響により、自宅でも楽しむことができる『おこもりプラモ』に注目が集まっている。今回紹介するのは、まるで本物かに見える戦闘機「F-16D」を制作したしばやんさん(@hyperducati)と、全長30センチを超える『キネティック1/32 ミラージュ2000』を制作したo-hata(@wbggx417)さんの2人。こだわりのウェザリング塗装や、対象となる模型の歴史を学ぶことの意義を聞いた。

■後付けパーツを盛り付けた“全部乗せ”でご機嫌な機体に(しばやん)

 まるで大空を飛翔するかのようなF-16Dを制作したモデラー・しばやんさん。当キットを題材にしたワケを聞くと2つの要因をあげた。

「まず1つは、最近大きなスケール(1/32)に注力している事。もう1つは複座の機体が作りたかったという事です。特にF-16って単座のイメージが強いので敢えて複座のD型を作ってみたいなと。それにF-16にゴテゴテと後付けパーツを盛り付けた、全部乗せヒャッハー!みたいなプラモにも惹かれまして(笑)」

 本作でもっとも力をいれた部分いついては「自分なりの“ロービジ”(低視認性塗装)の汚し塗装」だとコメント。それに加え空対空ミサイルや精密誘導爆弾、増槽2本にECMポッドやACMIポッドと「やたらめったら吊るしてみました(笑)」と、本キットへの“全部乗せ”を楽しみながら制作したと笑顔で語った。

 さらに最近はウェザリングに凝っていて、「実機写真をよく見て、どこがどのように、なぜそのように汚れるのか、剥がれるのか、焼けるのか…そういうルールを知ってそれを作品に落とし込む事」を意識していると明かした。

 今後の制作目標を聞くと、「単位面積あたりの情報量を増やす」事だと強調。どういった材質でできているのか、飛行や整備を重ねるうちにどのように汚れていくのか、そういう所を表現するよう意識しているのだという。それに加え、パイロットや整備員などクルーフィギュアと絡ませるのも好きなため、「そこに“物語性”が生み出せる模型制作を突き詰めたい」と意気込みを語ってくれた。

■モデラーたちを“プラモ道に引き込んだ”『ビックワンガム』(o-hata)

 プラモデルの魅力に目覚めた原体験は「食玩の元祖とも言える『ビックワンガム』」だと答えたo-hataさん。戦車、戦闘機をはじめ、建設機材、鉄道模型等さまざまな物を子ども時代に作ったのだという。

 そして、スケールモデル制作にハマった運命的なキットは「25年程前に発売されたハセガワの1/72 戦闘機シリーズ」だったそう。「当時は塗装も筆でペタペタ塗っていました。数を並べる事が楽しかったですね。運命的なキットと呼べるのは『田宮 1/32 零式艦上戦闘機21型』です。作り易さ、精度など今の目で見ても最高です」

 幼少期からプラモデルに触れ、これまで多くの作品を手掛けてきたo-hataさん。作例の中で一番気に入っている作品については「最新作となる『キネティック1/32 ミラージュ2000』です」と即答。「塗装バリエーションも豊富、オプションパーツもふんだんに付いていて、高いプレイバリューを誇っています」とその魅力を解説してくれた。

 『ミラージュ2000』を制作するにあたって課題としたのが“密度感&精度を高める”ことだったという。特に豊富なオプション兵器をどう見せるかについて熟考したという。そんな自慢のオプション兵器を鑑賞できるよう、撮影には特にこだわっているとも。

「作品撮りは撮影ボックスを使用します。今作で使っている物は80×80センチのボックスで、なるべく機械的補正を入れないように三脚を利用してセルフタイマーを使います。撮影のポイントとして、模型的にわざと濃淡を濃くしてみたり、汚しを強めにしています」

 そのほかにも、制作にあたってはその機体がどのように使われたのか、歴史的背景を調べることが大事だと力説した。「零式艦上戦闘機を作る時は坂井三郎氏の『大空のサムライ』を読みました。また、使われている場所や期間などを調べる事で想像の翼を羽ばたかせ、模型の表現、エイジングであったりウェザリングに活かす事ができると思います」