NHKは10日、来年放送予定の大河ドラマ『青天を衝け』(第60作)の主人公・「渋沢栄一」役の吉沢亮以来となる出演者を発表した。同時に本作が、栄一と同時代を生きた江戸幕府最後の将軍(15代)徳川慶喜の物語がパラレルに展開することが明らかになった。そして、慶喜役には、草なぎ剛を起用。草なぎは、香取慎吾主演の大河ドラマ『新選組!』(2004年)に榎本武揚役で1回だけ友情出演して以来、本格的な出演は初となる。

 本作の主人公・渋沢栄一は、新一万円札の顔としても注目される。幕末から明治へ、時代の大渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも、近代日本のあるべき姿を追い続け、高い志を持って未来を切り開き、生涯に約500の企業を育て、約600の社会公共事業に関わった「日本資本主義の父」。晩年は民間外交にも力を注ぎ、ノーベル平和賞の候補に2度選ばれた人物だ。

 本作の作者は、連続テレビ小説『風のハルカ』『あさが来た』などを手掛けた大森美香氏。大河ドラマは、初執筆となる。物語のはじまりは、栄一の誕生から。天保11(1840)年。隣の清国でアヘン戦争が始まろうとしていたころ、武蔵国榛沢郡血洗島村(むさしのくにはんざわぐんちあらいじまむら・現在の埼玉県深谷市)の農家の長男として栄一は生まれる。

 家業は、染料のもとになる藍玉づくりと養蚕。職人気質の父(小林薫)と慈愛あふれる母(和久井映見)のもと、近隣に住む従兄弟(いとこ)たちとともに育つ。水戸学に心酔する年上の従兄・惇忠(じゅんちゅう/田辺誠一)からは学問のいろはを学び、2歳上の従兄・喜作(高良健吾)とは何をやるにも一緒で相棒のよう。そんな二人の憧れの的は、惇忠の妹である千代(橋本愛)だった。

 そんな血洗島村から約150キロ離れた水戸藩では、栄一より3年早く、徳川斉昭(竹中直人)の七男として七郎麻呂(のちの慶喜)が生まれた。斉昭による厳しい教育を受け、一橋家を継ぎ、徳川幕府最後の将軍へ。やがて、側近・平岡円四郎(堤真一)の目利きで栄一と出会い、財政改革に手腕を発揮した栄一を重用する。

 栄一の生涯は、慶喜の存在なしでは語れない。農民の栄一が倒幕を志したものの、まるで正反対の幕臣となり、さらに新時代を切り拓くことができたのは慶喜との出会いがあったからこそだ。幕府終焉(しゅうえん)の時を迎えてからも、慶喜と栄一の厚い信頼関係は終生に及ぶことに。「慶喜の名誉回復」のため、栄一の忠義は生涯貫かれる。

 物語の根幹をなす役を受け、草なぎは「今回発表された出演者の方々といっしょにお芝居ができることに幸せを感じています。いただいた台本からはエネルギーをすごく感じていて、パワーのあるストーリーを感覚を研ぎ澄ませて演じ、みなさんの記憶に深く残る徳川慶喜にしたいです。慶喜役は、僕の人生にとっても大きな役になると思います。全力をもって挑みたいと思っています」とコメントを寄せ、強い意気込み表していた。