押さえておきたい小説原作アニメ

押さえておきたい小説原作アニメ昨年実写映画化された、住野よるの青春小説『君の膵臓をたべたい』がアニメ化され、本日9月1日、劇場公開が始まった。原作は累計260万部突破の大人気小説ということで、期待も膨らむところだろう。ところで、数ある小説原作のアニメでも、見落としている作品もあるのではないか。「小説が原作のアニメ教えてください」という質問が、「教えて!goo」にも寄せられていた。そこで今回は、アニメージュ編集部に、これは押さえておきたいという小説原作アニメ作品を紹介してもらうことにした。




■『銀河英雄伝説』


まず、紹介してもらったのは、「やはりきたか」というあの名作だ。

「最初のおすすめは、『銀河英雄伝説』です。『常勝の天才』ラインハルト・フォン・ローエングラムと『不敗の魔術師』ヤン・ウェンリーの二人を軸に、銀河の興亡を描いた壮大なるスペースオペラ。未来の物語でありながら歴史大河としても、群像劇としても多角的に楽しめる作品です。銀河帝国、自由惑星同盟の双方の視点からドラマが描かれており、それぞれの場所で生きるキャラクターたちが抱く強い信念や理想、そしてその生き様には心を揺さぶられます。また、戦艦の設定なども特筆すべきもの。各キャラの個性を反映した多彩な戦艦が登場し、戦闘シーンの迫力に圧倒されます」(アニメージュ編集部)

この壮大な世界観こそが、多くのファンを魅了する銀河英雄伝説の醍醐味といえるだろう。

「故、石黒昇監督版の『銀河英雄伝説』は物語をやや俯瞰で描いた作品。その誕生から30周年となる今年、新たに放送された多田俊介監督版『銀河英雄伝説 Die Neue These』は、よりキャラクターの心情に寄り添った描写が特徴。同じ原作を元にしていますが、どちらのドラマも魅力的です」(アニメージュ編集部)

作品の魅力が今も全く色あせていないという点が、名作たる所以なのだろう。



■『四畳半神話大系』


次の作品は、京都を舞台にしたクセの強いキャラが登場するあの作品だ。

「2つめは『四畳半神話大系』です。湯浅政明さんの地上波初監督作品にして、森見登美彦さんの初映像化作品です。小説原作ならではの言葉数の多さと、小津やジョニーといったアニメ的なキャラクター表現の融合が素晴らしく、原作の魅力と湯浅監督のセンスがうまくミックスされていました。また、“京都らしさ”が丁寧に描かれていることにも注目ですね。湯浅監督自ら1ヵ月弱にわたり、ドミトリーなどに宿泊してロケハンした成果が表れていました。監督曰く、『京都は路地裏に闇が残っている感じ』だそうです」(アニメージュ編集部)

アニメ放映時には、原作の素晴らしさもさることながら、アニメ化によるシナジーが最大限に発揮された作品としても話題になった。

「キャラクターの魅力としては、なんといってもジョニーのはじけた表現ですね。馬にまたがるカウボーイ姿のビジュアルは、湯浅監督がラフスケッチを起こしたそうで、監督ご自身もお気に入りとのこと。実は、2017年に公開された『夜は短し歩けよ乙女』でもジョニーは大活躍しています。小説原作からアニメになった作品ということでは、こちらもおすすめです。どちらも声優、檜山修之さんのパワフルな怪演が印象的です」(アニメージュ編集部)

「良い意味でファンを裏切る」という表現が、まさにピッタリな作品といえよう。

■『空中ブランコ』


最後に紹介してもらった作品も、アニメ化によってその魅力が大きく増した事例だろう。

「3本目は『空中ブランコ』です。『モノノ怪』、『ガッチャマン クラウズ』で知られる中村健治監督の尖った作風が存分に発揮された作品。実写でドラマ化や映画化もされた『精神科医・伊良部シリーズ』ですが、原作の奇妙な味わいはアニメ版が最も濃厚でしょう」(アニメージュ編集部)

原作の独特なイメージをさらに濃くする表現とは、どんなものなのだろう。俄然、興味が沸いてくる。

「ゲストキャラや看護師マユミの顔がところどころ演者自身の顔になったり、患者の頭が鶏や馬、犬などにシンボル化したり、モブキャラを薄っぺらい平面で描写したりと、ポップでエキセントリックな映像世界は、まさに『ハイブリッド・アニメーション』という名にふさわしく、通常のTVアニメの枠を超えていました。また、主人公の伊良部は、肥満体、眼鏡男子、少年の3つの姿で登場するというアニメ独自の表現により、原作以上に怪人ぶりを発揮。三ツ矢雄二さん演じる、肥満体伊良部の『いらっしゃーい』という甲高い挨拶は、妙に耳に残ります」(アニメージュ編集部)

世界観の表現、キャスティングともに絶妙とのことである。今にも、三ツ矢さんの声が聞こえてきそうだ。

今回紹介してもらった作品は、どの作品もアニメ化されることでパワーアップしたものばかり。また、原作小説と比べることで、さらにその面白さを堪能できる。アニメをきっかけに興味が湧いた人は、小説も読んで、二度楽しむのもよいかもしれない。


●専門家プロフィール:アニメージュ編集部
アニメージュ(Animage)は、株式会社徳間書店から1978年5月26日に創刊され、現存するアニメ雑誌では最古参にあたる。毎月10日発売。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)


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