休眠口座、「気にしなくてもよい」のはこんな人!専門家が解説2019年12月、三菱UFJ銀行が2年間取引のない口座を対象に、年1200円の口座維持手数料の徴収を検討していることが報じられた。取引をせずに眠っている口座、すなわち「休眠口座」に関しては以前から困惑の声も多いが、「さほど気にする必要はないのでは」と専門家。一体どういうことなのだろうか?

■そもそも休眠口座ってナニ?

「教えて!goo」に「旧姓で残っている銀行口座やクレジットカードについて(現在使用なし)」という質問があるが、使っていない銀行口座の処理が面倒で先延ばしにしている人も多いはず。
休眠口座とは、引出しや預入、振込入金、口座振替、記帳、残高照会などを10年間行っていない口座のこと。10年経過すると預金保険機構に移管され、民間公益活動に活用されることになる。

「移管されたからといって預金者の財産でなくなるわけではなく、原則として無期限で元の金融機関で払い戻しを行えます」

と話すのは、ファイナンシャルプランナーの資格を持つ相続・終活コンサルタントの明石久美さん。預金者の権利が消滅するわけではないのでひとまず安心。とはいえ、解約するつもりなら移管される前に手続きを済ませた方がよさそうだが、

「9年経つと、金融機関から事前通知が届きます。しかし、住所変更をしておらず届かなかったり、重要なお知らせと知らずに捨ててしまったりするケースも多いです」(明石さん)

とのことなので注意しよう。以上を踏まえ、「是が非でも休眠口座を確認した方がよい人」と「気にする必要がない人」の特徴を挙げてもらった。

■郵便貯金は没収されるので要注意!

まずは、休眠口座の存在を確認し、解約または預金を移動した方がよい人の特徴から。

(1)1円も損をしたくない残高1万円未満の人

「りそな銀行の場合、残高1万円未満だと年間1320円の口座管理手数料がかかります。2年間取引のない普通預金口座が対象で、預金がゼロになれば自動的に解約されます。ほかのメガバンクも同様の仕組みにする可能性があるので、目安として、ボーダーラインは1万円と考えておきましょう」(明石さん)

当たり前だが、絶対に損をしたくないという人は今すぐ確認しよう。スーパーの食材を1円単位で気にしたり、ATMは手数料無料の時間帯しか使わないというポリシーを貫いていたりするのがこのタイプ。

(2)郵便貯金の利用者

「2007年9月30日以前に預け入れた定額郵便貯金、定期郵便貯金、積立郵便貯金は、満期後20年2カ月経っても払い戻し請求がない場合、没収されます。これは、ゆうちょ銀行はもともと国営で、旧郵便貯金法が適用されるからです」(明石さん)

日本郵政公社が民営化されたのは2007年10月のこと。特に地方の高齢者は、国営の時代に貯め込んでいる場合が多いそうだ。

(3)本人または親の健康状態がよくない

「親が認知症で銀行口座の存在を忘れてしまった場合や亡くなった場合、相続のことを考えると休眠口座の存在は非常に厄介です。キャッシュカードや通帳があれば問題ありませんが、そうでない場合、近所の銀行を順番に当たっていくしか方法はありません。しかし、金融機関は、所定の手続きをとらなければ口座の有無や預金残高は教えてくれません。金融機関ごとに対応が異なりますが、確認をすることで認知症の親の口座が凍結する場合があります」(明石さん)

親が生きている間は、子どもが代わりに口座の有無を確認することはできない。親が認知症だとわかると口座が凍結されるケースがあるので、金融機関への連絡がマイナスになる可能性もあるとのこと。親が元気なうちに、預金口座の存在について把握しておくことが重要だ。

■そのまま忘れ去っても問題ない人

では、さほど気にする必要がないのはどんな人なのだろうか。それはズバリ、「上記(1)〜(3)に当てはまらず、面倒くさがりな人」。これに尽きる。

「解約は窓口で行います。必要書類は、住民票や運転免許証など住所が確認できるもの、結婚などにより苗字が変わっていた場合は戸籍謄本。それから通帳・キャッシュカードと届け印です。金融機関によっては郵送で解約を行える場合もありますが、その際は書留代が必要です」(明石さん)

解約したいのが地方銀行口座などの場合、すでに転居している人が窓口に行くのは億劫だ。交通費やそれにかかる時間と預金残高とを天秤にかけた場合、人によっては損をする可能性もある。

「私も吸収合併された銀行の口座を持っていますが、預金額が1000円以下なので、自動的に解約される仕組みは、気になっている口座の整理ができるためメリットと捉えています」(明石さん)

考え方は人それぞれ。どちらにせよ、使っていない口座がないか、家族で話し合っておくことをオススメする。

●専門家プロフィール:明石 久美
相続・終活コンサルタント、行政書士、ファイナンシャルプランナー(CFP/1級)。
供養関係に詳しいため終活を含めた相続対策を行っている。遺言書や家族信託契約書の作成、おひとりさま支援など実務のほか、セミナーや研修を全国で行っている。テレビ・ラジオ出演、雑誌の監修、新聞等のコラム執筆、教材作成など幅広く活動。著書も多数ある。

(酒井理恵)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)