「エクストリーム土下座」で各メディアをざわつかせた「桂浜水族館」に事の真相を聞いてみた!

 「桂浜水族館」の公式Twitterが投稿したあるツイートが瞬く間に拡散され、各メディアで取り上げられるほど注目を集めています。

 この話題にのぼっている「桂浜水族館」は、高知県の景勝地「桂浜」公園の浜辺にあり、高知龍馬空港からはタクシーや車で約30分の場所。1931年4月に創立され今年で87年目を迎える歴史ある水族館だそうです。

 長く地元民に愛されている水族館ですが、このツイートで当館の海獣班3名が水族館前で土下座をしている様子がアップされ、さらに「お願いします!!!遊びに来て下さい!!!!お客さんがいなさすぎてこのままでは給料がでません!!うち、歩合制なんです!!!」なんて切実な文言も投稿されていました。ちなみに続くツイートで、歩合制はジョークだったというネタばらしがされていますが、にしても「そんなに捨て身でPRしなきゃならないほど厳しいの?」と思っちゃいますよね。

 3人とも地面に頭をつけて手をつき、ある者は頭上で合掌をし、ある者はなぜか土下座ではなく三転倒立をしているという……。「一体なんなの? 水族館で何が起こっているのー!?」と気になりすぎて、桂浜水族館の広報担当者に事の真相を伺いました。

――ツイートを拝見したのですが、結局、従業員の方のお給料は歩合制ではないんですよね?

はい。飼育スタッフは、もちろん歩合制ではなく月給制ですよ。

――なぜ水族館前で土下座している画像をアップしたのですか? そんなに運営が厳しい状況なのでしょうか……。

運営としては、個人経営なので厳しいですねぇ……。ですが、スタッフに土下座を強要してまでの集客をしないと厳しいとかそんなわけじゃないですよ(笑)。もともとTwitterに投稿するために撮影したわけではなく、海獣班が販売している商品の新しい販促POPの素材として「買ってください!お願いします!」な写真を撮ろうよと写真の3名にお願いしたところ、「じゃあ土下座しますか!」とかえってきたのが発端。

広報担当者がひとりひとりにこのようなポーズをしてほしいとお願いしたわけではなく、「土下座」をテーマに三者が三様の表現をしました。すると思いの外おもしろい写真が撮れたため、GW後の来館者数の少なさと閑散を自虐しておとどちゃん(同水族館のマスコット)がTwitterに投稿。正直、スタッフ一同ここまで拡散され話題になるとは思っていませんでした。

――「おとどちゃん」という水族館のマスコットなのですが、結構インパクトが強いキャラクターですね。こちらはトドをモチーフにしていると思うのですが、おとどちゃんのプロフィールがあれば教えてください。

トドをモチーフにした「おとどちゃん」は、2016年に桂浜水族館の設立85周年を記念し、当館の大ファンでもある高知市出身のフィギュアイラストレーター、デハラユキノリさんが考案してくれました。食欲旺盛な天然Fカップの女の子トドです。今年87周年を迎えた桂浜水族館のキャッチコピー「ひとハナ(87)咲かそう」と、桂浜水族館PRのために着ぐるみを作りました。

――イベントで「おとどちゃん撮影会(どさくさに紛れて天然Fカップのおっぱいと触れ合えるチャンス!)」なるものが開催されているようですが、他にはどのようなイベントを開催していますか?

今後も「おとどちゃん」次第でして、神出鬼没な上に天真爛漫、ゆとり世代真っただ中で誕生した「おとどちゃん」なので広報担当にも不明です。……が、彼女のことなので、随時楽しいイベントや演出で楽しませてくれると思います。

――桂浜水族館で一番人気のある動物はなんですか?

ショーをしているトド、アシカや、イベントやふれあいのあるカワウソ、カピバラ、ウミガメ、ペンギン、カクレクマノミなどですが、当館に来ていただいてるお客様が一番気にいっている動物が一番人気なんじゃないでしょうか? 
わたしたちが「この動物が一番人気です!」って言えないですね。だって、ハマスイのスイゾクみんなが頑張って働いてくれてますから。人間も動物も一心同体という感覚です。

――土日、祝日にはどのぐらいのお客さんが来館されるのですか?

時期にもより変動しますが、平日の倍以上にはなります。

――アットホームな雰囲気ですが、お客さんの中でもお目当ての動物ではなく、スタッフの方にあいたくて水族館に来られるお客さんもいらっしゃるようですが……。

はい。スタッフも個性豊かな人間がそろっていますので(笑)。写真を一緒に撮っていただいたり、お話をしたりしています。スタッフ=担当動物で、スタッフと話すことにより担当動物にも興味を持っていただけ動物のファンにもなっていただけています。

――桂浜水族館ならではの一押しエリアがあれば教えてください。

現代水族館にはない「水槽」や「展示エリア」などです。動物たちとの間に分厚いアクリルなどはなく、すぐ近くに動物がいます。息遣いやにおいなども体感できることです。動物のにおい、潮の香りや魚のにおい、不快に思う方もおられますが、それがこのコたちが生きている世界ですから。

――動物たちと毎日触れ合う中で、印象に残っているエピソードはありますか?

各担当でいろんな場面があり「ここで広報の私がコレ!」と、まとめてしまうのはナンセンスでしょう。私たちは、生と死に向き合いながらも生き物のすばらしさをはじめ可愛さ、怖さも伝え、その先には環境についても考え、お客様にお伝えしていかねばなりません。桂浜水族館はアミューズメント施設でも博物館施設でもあります。その中で、一番の私たちが印象に残っており日々努力出来る糧となるものは、お客様の笑顔です。お客様の喜ぶ表情や「へぇ〜」から始まる興味、お客様とのコミュニケーションから生まれる動物とのエピソードです。

――これからどのような水族館にしていきたいですか?意気込みをどうぞ!

2015年から改革を行っております。その前年に多くのスタッフが退職し、桂浜水族館にマイナスイメージがついてしまったことが要因です。2016年に創業85周年を控え、「なんかかわるで! 桂浜水族館」をモットーに、さまざまな取り組みを考えました。おとどちゃんが誕生したのもこの時です。賛否両論ありますが、その中で、スタッフ一人一人がしっかりした力と知識をつけ、桂浜水族館を日本一のブランドにすべく日々精進しております

 ホームページをのぞいてみると、目に飛び込んでくるのは、「365日毎日営業。あぁしんど…」とジャギジャギな歯をむき出しにして一点を見詰めるトドのマスコット「おとどちゃん」に度肝を抜かれましたが、実際に働かれている人たちは、真摯に動物たちと向き合っている人たちばかり。この夏どこかに旅する予定の方は、ぜひ候補地として検討してみてはいかがでしょう。桂浜水族館のヒトと動物たち。みんなで首を長ーくして待っているそうですよ!

<記事化協力>
桂浜水族館

(黒田芽以)


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