新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が、5月末まで延長となりました。4月に就職したばかりの新入社員は、仕事を学ぶどころか研修もままならず、同期の仲間にも会えないという状況の会社もあります。そのため、新入社員が陥りやすいとされる「五月病」も今年はちょっと事情が複雑です。「誰かに相談したかった」「誰かに不安を聞いてほしい」……。そんな声が「キャリア小町」に寄せられています。

今年3月に都内の有名私立大学を卒業し、大手金融機関に就職したばかりの明日香さん。同期入社は数百人いますが、連絡先を知っているのは、昨年開かれた内定者懇親会で同じテーブルだった4、5人のみ。本音で語り合えるほどの間柄とは言えず、悩みを語れる人は社内にいません。研修とは名ばかりで、金融や保険に関する教材を渡されたのみ。大学の同級生が就職した会社の中には、オンライン研修が充実していたり、教育担当者がきめ細かくフォローをしてくれたりしているところもあるそうです。

「入社当時はやる気満々だったのに、こんな状態ではモチベーションも上がらない。コロナうつになりそう」。真面目な性格の明日香さんは、会社への不満が爆発しそうだと言います。「会社はこういうリスクへ迅速に対応すべき」とこぼし、転職も考えてしまうとのことです。

明日香さんの話の中には、「〜すべき」という言葉が繰り返し出てきます。こういうタイプは、責任感が強く、自分にも他人にも厳しい一方、柔軟性に欠け、ルールから外れる状況への対応力に乏しい特徴があります。「べき論」への過度な執着で、メンタルの不調を引き起こす傾向もあります。

「五月病」より複雑な悩み

こんにちは、「キャリア小町」オーナーの土屋です。そもそも「五月病」とは、5月のゴールデンウィークの後、なんとなく体調が優れない、会社や学校に行きたくない、何もしたくないという、気分の落ち込みです。新生活を迎え、張り詰めていた気持ちがゴールデンウィークで緩み、こうした不調が表れるとされています。

入社式、新人研修、配属など、新社会人としてのスタート地点で、新型コロナの影響を受けている新入社員たちの様子は、例年と少々異なっているようです。いわゆる「五月病」というよりは、社会環境や働き方の変化、会社の先行き、自らのキャリアの不安など、様々な要素が悩みの種として膨らみつつあります。

複雑にからまる不安要素が、やる気やエネルギーもすり減らしてしまっています。正式な病名ではありませんが、「コロナうつ」という言葉も聞かれるように、外出自粛や3密回避などの感染対策で身動きがとれず、気が滅入ってしまったり、活力が失われてしまったりする人もいます。