コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第222回

俳優の山﨑賢人が、3月25日開催の映画『劇場』完成記念イベントに出席した。

新型コロナウイルスの影響により、無観客で行われた本イベント。いつもとは勝手が違う雰囲気に、山﨑(【永田】役)は「お客さんがいないと悲しいよねぇ」と漏らすと、松岡茉優(【沙希】役)も「不思議な気分だねぇ」と戸惑いを隠せないでいた。

改めて、山﨑は「原作を読んだ時に、永田役は絶対にやりたいと思っていました。人間としてのダメさだったり愚かさだったり、僕も共感できたんです」と明かし、お気に入りのシーンについては「(松岡との)2人乗りのシーンはすごく頑張ったので観てほしいです。良いシーンになっていると思います」と自信をのぞかせると、原作者の又吉直樹も「僕もあそこは感動しました」と太鼓判を押していた。

同じく、そのシーンに関して松岡が「山﨑君のセリフが、4ページくらいずーっとあったんですよ。私を乗せて、さらに長回しの1本撮りで。しかも、1回も噛まないんですよセリフ。信じられなくないですか!?」と褒め称えると、「全然違うシーンでは噛むのにね(笑)」と照れ笑いを浮かべる山﨑に同調しながら、「俺とのシーンでは噛み噛みだったじゃないですか(笑)」とツッコミを入れる寛 一 郎(【野原】役)だった。

また、イベントに参加した行定勲監督とも親交があり、いち早く本作を観たというポン・ジュノ監督からの手紙をMCが代読。監督作『パラサイト 半地下の家族』が、第92回米国アカデミー賞で作品賞を受賞した名匠から演技を絶賛された山﨑と松岡が、「嬉しいです」と口をそろえて喜びを分かち合う姿も見られた。

最後に、山﨑は「やっぱりお客さんがいないと寂しいですね。映画はお客さんがいて初めて成立するんだと改めて思いました」と、当たり前だった日常がまた早く訪れることを切に願っていた。

映画『劇場』(松竹/アニプレックス配給)

映画『劇場』は、中学からの友人とともに立ち上げた劇団で、脚本家兼演出家を務めている男・永田と、女優になる夢を抱いて上京した女・沙希が織りなす屈折した恋模様を描いた、芥川賞作家・又吉直樹の2作目となる同名小説を映画化。

監督:行定勲
脚本:蓬莱竜太
出演:山﨑賢人、松岡茉優、寛 一 郎、伊藤沙莉、上川周作、大友律、井口理、三浦誠己、浅香航大  ほか

4月17日(金)より全国公開
公式サイト:https://gekijyo-movie.com/