NGT48・山口真帆の暴行事件で、運営側の対応に残る疑問

NGT48・山口真帆の暴行事件で、運営側の対応に残る疑問

 前年に相次いだ卒業や解散ラッシュへの余波が残る中で、今年は早々から、アイドル界へ波紋を投げかける騒動が巻き起こりました。新潟県を拠点とするAKB48の系列グループ、NGT48のメンバー・山口真帆さんの独白により発覚した暴行事件です。連日の報道は、いまだ過熱の様相を見せていますが、一人のアイドルファンである筆者の視点から、執筆時点(2019年1月18日)で判明している情報をたよりに事件を俯瞰してみます。

事件発生から発覚までの空白期間

 警察の発表によれば、事件発生は2018年12月8日でした。その後、年明けの1月10日に運営側が詳細を発表。グループの公式サイトでは、「ファンを名乗る男2名が山口真帆の自宅玄関に押しかけ、顔を押さえ込むなど暴行の容疑で逮捕されました」とあり、さらに、「メンバーの1名が、男から道で声をかけられ、山口真帆の自宅は知らないものの、推測出来るような帰宅時間を伝えてしまったことを確認しました」と伝えられています。

 ただ、事件が発覚したのは発生からちょうど1カ月後、1月8日にライブ配信アプリ「SHOWROOM」で山口さん本人による独白に端を発するものでした。山口さんは涙ながらに「悪いことしているヤツを解雇すると言ったくせに何も対処してくれない」と運営側を批判し、さらに、「真面目にやっている人がこんな目に遭わないといけないのか分からない」と自らの思いを吐露しました。

 そして、翌日早朝に自身のツイッターから「私は先月公演終わり帰宅時に男2人に襲われました」と告発。しかし、運営側の発表があった当日の公演で舞台へ立った山口さんが、騒動が起きたことを真っ先に謝罪する事態となり、事件の顛末(てんまつ)に対するファンや世間の声はますます厳しくなっていきました。

 さて、事件自体の処遇については、法律に委ねるべきだとするのは筆者なりの見解です。ただ、運営側が適切な対処をしたかというのは、疑問が拭えない部分でもあります。

 事件発生から発覚までに空白期間があったのは分かりやすいところで、さらに言及するならば、そもそも、被害者側からの独白がなければ事件自体が明るみにされなかったのは不可解でなりません。メンバーが安心して活動を続けられる環境を作るのであれば、山口さん本人の名前を出さずとも“メンバーが命の危機に直面するトラブルに遭った”と報告する手段はあったはずです。

 騒動を受けて運営側は1月14日に説明会見を開きました。当日の発表で幹部体制が一新され、グループを統括していた劇場支配人・今村悦朗氏を解任。AKB48の系列グループであるAKB48、SKE48、STU48のマネジメントに携わってきた早川麻依子氏が新支配人となり、岡田剛氏が副支配人へ就任することが分かりました。

 一方、AKB48の系列グループで総合プロデューサーを務める秋元康氏本人からのコメントはいまだになく、先述の会見に出席した、所属事務所AKSで取締役を務める松村匠氏が「大変、憂慮している。運営の方は私の方がススメているので非常に叱責を、当然ですよね」と間接的に伝えているのみです。

 本来、守るべきメンバーが傷つけられたという点では、運営側も被害者であるという見方もできるかもしれません。ただ、事件の経過を見ると、加害者側が何らかの事情で不起訴処分となっており、山口さん本人の個人情報がメンバー内で漏えいしていたことなどを加味すると、組織として“グループの健全な活動”を守るための責任を果たしていたのか懸念が残ります。

 現時点で、NGT48は当面の間、正規メンバーによる公演をすべて中止すると発表しています。今後、事件を中心にどのような動きが見られるかは引き続き注視すべき部分ですが、少なくとも今の段階では、山口さん本人やメンバーはもちろん、ファンを含むすべての関係者が誰も幸せになっていないように映ります。


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