映画「記憶屋 あなたを忘れない」でヒロイン・真希を演じる女優の芳根京子さん。同作は、大学生の遼一(山田涼介さん)は恋人・杏子(蓮佛美沙子さん)にプロポーズした翌日から、彼女と連絡が取れなくなってしまいます。数日後、再会した彼女は遼一の記憶だけを失っていたことを知り、大学の先輩で弁護士の高原(佐々木蔵之介さん)や幼なじみの真希と記憶喪失の原因を探り始める…織守きょうやさんの原作小説の映画化です。

 オトナンサー編集部では、芳根さんにインタビューを実施。撮影現場における山田さんとの距離感、真希の役作り、泣くシーンのスイッチなどについて聞きました。

真希のように強い女性でありたい

Q.演じられた真希と似ているところはありましたか。

芳根さん(以下敬称略)「私も強い方だと思いますが、真希ほど強くはないので、強さを持った女性でありたいと思っています。好奇心が強いところは同じですね。取りあえず、挑戦してみるというところや明るいところは似ていると感じました」

Q.芳根さん自身の強さはどんなところですか。

芳根「めげないところ。取りあえず挑戦してみます。だから、食わず嫌いはありません。取りあえず食べてみます(笑)ちゃんとこれは駄目、これはいいという理解をしたいです。そんなふうにしてきた部分もあるし、そうしたいという部分もあります」

Q.山田さんとの掛け合いのテンポが自然でした。距離感の取り方で大事にしたことは。

芳根「年齢も経験も山田さんの方が上な分、適度な距離感を保ったままいくんだろうなと思っていました。でも、山田さんが本読みのとき、『幼なじみ役だからタメ口でいいよ』と言ってくださり、フランクな方だと感じました。遼一と真希の関係性がすてきに見えるといいなと、お互い思っていたと思います」

Q.山田さんのフランクなエピソードを教えてください。

芳根「冗談を言い合えるようになったので、お互い気が楽になったと思います。私は気を使われるより、『これくらいは大丈夫でしょう』という態度で接してもらう方が楽です。それで『丁寧に扱わなくていいです』と言ったので、程よい距離感が出せたと思います。遼一と真希のフィルターがかかっていたので、舞台あいさつなどでお会いするときはどんな距離感がいいんだろうと悩みました。時間のブランクってありますよね(笑)」

Q.真希という役はどう構築しましたか。

芳根「真希がどう見られるかで、この作品は変わってくると思ったので、私はもう少しテンションの低い落ち着いたキャラクターをイメージしていました。でも、平川(雄一朗)監督の求めた真希はもっと明るく楽しく、ハイテンションでした。

監督の真希と私の真希が一致するまでは試行錯誤で、ある日突然、『今のいい、そのままでいて』と言われ、そこでつかめた気がしました」

Q.泣くシーンを16回撮り、毎回泣いたそうですが、泣く演技のスイッチはどのようにされていますか。

芳根「泣くと思って泣ける方もいらっしゃると思いますが、私はそんなに器用じゃないので、泣けないときは全然泣けません。ですが、同じところで何度も泣くのは同じところで何度も心を揺さぶられるからで、16回挑戦して16回泣けたのは、私ではなく相手の方がすごいんです。何回も挑戦させてもらったことにも感謝です」

Q.つらい記憶を前向きにしていくコツはありますか。

芳根「2019年は舞台に挑戦させていただいたんですが、本番直前にセリフが全部飛んで本番という夢を見ました。夢で体験したからこそ、そうならないように意識できます。記憶を消したいと思えないのは、記憶があるからこそ防げることや、前に進めるところがあると考えているからです。あの夢を見たから、台本を何度も読み返したし、意味があるのか分かりませんが、枕の下に台本を入れて寝ました(笑)」

Q.2019年はどんな年でしたか。

芳根「いろいろなお仕事をさせていただきました。この映画から始まり、舞台、アニメの声優、ドラマもありました。幅の広さはこれまでで一番あったと思います。20代はいろいろ挑戦してみて、30代は突き詰めていきたいと思った一年でした」

 映画「記憶屋 あなたを忘れない」は1月17日から全国公開。