“食べ残し”をしたくない息子と母親の会話を描いた漫画「トーストの教え。」がSNS上で話題となっています。ある日の朝食、トーストを食べきれなかった7歳の息子(次男)。母親に「食べて。残したくない」とお願いしますが、母親は「いらない」と拒否して…という内容で「心にしみました」「深い」「学校で教えてほしい」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。

心の中のモヤモヤに気付いた

 この漫画を描いたのは、ブロガーの中村こてつ(ペンネーム)さんです。インスタグラムのほか、Ameba公式トップブロガーとして「じごんすからのぞけば。【男子兄弟育児絵日記】」で作品を発表しています。

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

中村さん「現在、小学5年生の長男を妊娠したことをきっかけに、ブログで絵日記を描くようになりました」

Q.今回の漫画を描いたきっかけは。

中村さん「母親なら、子どもの食べ残しを食べることはよくあることですが、その日は私が全く食べたくなかった上に、なぜか、息子も食べてほしいと引き下がらなかったことで、心の中のモヤモヤに気付きました。そして、そのモヤモヤは『自分が満足したいがために他人を動かそうとすることへの不満なのだ』と思い当たりました。

きっかけはトーストでしたが、『これって育児だけでなく、社会での人間関係や恋愛など、いろんなことに当てはまるよなあ』と考え、それを漫画にしたいと思いました」

Q.残したものを誰かにあげることは、よくあるのですか。

中村さん「食べきれないとき、他に食べられる人(家族)がいれば、その人(主に父親)にあげることは小さな頃からよくあります。もったいないので。ただ、『いらない』と言っているのに『食べて!』と押してきたのは、このときが初めてかもしれません」

Q.「食べない」と断ったのは、このときが初めてだったのでしょうか。

中村さん「いいえ。食べたくないときは『いらない』と言います。誰も食べる人がいなければ、台所に持って行って生ゴミ袋へ入れます。それは息子も分かっていて、このときは捨てたくなかったのかなと思います」

Q.お母さんの話を聞いているとき、息子さんはどのような様子でしたか。

中村さん「何もしゃべることなく、無表情でじっと聞いていました。話が終わると、おもむろに完食していました」

Q.これ以降、このようなやりとりはなくなったのでしょうか。

中村さん「無理に『食べて』ということはなくなりました」

Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。

中村さん「『モヤモヤしていたものが腑(ふ)に落ちました、ありがとう』『気付かないうちに自分がしていたらと怖くなりました。気を付けます』などのコメントを頂きました」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。

中村さん「育児の息抜きにクスッと笑えたり、『私だけじゃないんだ』と誰かの支えとなれるような子育ての体験記をつづっていきたいです。出版にも興味がありますし、自分のイラストを『好きだ』と言ってくださる方もいるので、イラストに関する仕事も展開していけたらと考えています」