子どもたちと電車に乗っていたときの出来事を描いた漫画「ヒヤリハット」がSNS上で話題となっています。当時5歳の自閉症の長男ハルくん、2歳の次男イツくん、0歳の長女ぴっぴちゃんを連れて電車に乗っていた母親。イツくんに「もうすぐ着く?」と聞かれ、「あと1駅だよ」と答えた瞬間、電車の扉が開き…という内容で「想像しただけで怖い」「優しさの連携プレー」「緊張感が伝わってきました」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。

慌てず、平静を装いながら…

 この漫画を描いたのは、漫画家兼イラストレーターのbeth(ベス)さんです。YouTube「宮崎西諸牛PRアニメ」のイラスト、看護師・看護学生のための情報サイト「ナース専科」漫画連載の作画を担当し、インスタグラムでは子どもたちのエッセー漫画やイラストを発表しています。

Q.今回の漫画を描いたきっかけは。

bethさん「これは約5年前の出来事なのですが、最近、ふと思い出したからです」

Q.イツくんは、電車の中でもつい動いてしまう子だったのでしょうか。

bethさん「怖がりなので、あまりそばを離れないタイプなのですが、このときは到着と勘違いして、張り切ってピョンと降りてしまいました…」

Q.周りで見ていた方の反応はいかがでしたか。

bethさん「誰かが言った『やばくない?』という言葉が耳に入ったので、慌てないように平静を装いながら、お騒がせしてすみませんという感じで謝っていました。私が慌てると、長男のハルに伝染するので…でも、結局バレてパニックになってしまいました」

Q.電話は、どこにかけたのでしょうか。

bethさん「『駅名 電話番号』で検索して、出た番号にかけました」

Q.次の駅までの時間は。

bethさん「幸い特急などではなかったので、10分くらいでした。猛ダッシュで折り返して、25分くらいで戻りました」

Q.再会したときのイツくんの様子はいかがでしたか。

bethさん「そのときは、大泣きしたりはしていませんでしたが、お姉さんの手をギュッとつかんでいました。お姉さんは『よかった』『急いでないのでいいですよ』と優しく笑ってくださいました。『女神かな?』と思いました」

Q.イツくんは当時のことを覚えているのでしょうか。

bethさん「微妙な感じです。過去の話をすると、ちょっと恥ずかしそうにする年頃になりました」

Q.その後、電車に乗るときに気を付けていることはありますか。

bethさん「その後、自動車の免許を取ったので電車に乗ることも減りましたが、事件後、私はもちろん、何より本人たちが気を付けて乗るようになりました。特に長男のハルが、弟、妹が少しでも移動しようとすると阻止して自分のそばに来させます。ハルは事件後、家族の居場所を毎度確認するようになり、『安否確認くん』『点呼くん』などのあだ名がつきました(笑)ただ、ハル自身はふらっと迷子になるんですけどね…」

Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。

bethさん「お母さん方からは『ヒイイ』『ギャー』など、悲鳴のコメントが多かったです(笑)体験談を書いてくださる方も多くて、興味深く読ませていただきました」