医療介護福祉分野においてDX推進を支援するヘルステクノロジー(福島県南相馬市)が、「介護業務の実務に関する実態調査」を行い、結果を紹介しています。

 調査は、2月9〜13日にかけて、介護業務が好きな介護スタッフ501人を対象に、インターネットで実施されました。

「あなたの介護現場で、働く環境が適正化されていると思いますか?」と質問したところ、「あまりそう思わない」が35.9%、「全くそう思わない」が12.2%と、「思わない」と感じている人が計48.1%になりました。

「あまりそう思わない」「全くそう思わない」と回答した241人に、理由について聞いたところ、最も多かったのが51.9%の「スタッフの入れ替わりが激しいから」で、次いで49.8%の「勤務時間や業務内容にばらつきがあるから」、46.5%の「現場の役割分担が明確化されていないから」、29.0%の「データや根拠に基づく働き方ができていないから」、27.8%の「過剰サービスにより、満足にケア業務ができないから」、11.2%の「その他」、2.9%の「わからない/答えられない」という結果でした。

 続いて、「介護現場でケアマネジメントサイクルを回しながら効果的に働くことは重要だと思いますか」と聞いたところ、「非常にそう思う」が35.7%、「ややそう思う」が51.3%という結果でした。

 そして、あなたの介護現場では、ケアマネジメントサイクルを回しながら効果的に働けていると思うかと質問。すると、「あまりそう思わない」が39.1%、「全くそう思わない」が11.4%でした。

「あまりそう思わない」「全くそう思わない」と回答した253人に、理由を聞くと、トップは58.9%の「業務を振り返るための時間がないから」、次いで、39.1%の「改善のために業務の取り組み方を変更するハードルが高いから」と「ケアマネジメントサイクルの重要性をマネジメント層が理解できていないから」、25.3%の「何から始めれば良いかわからないから」、18.6%の「業務を記録するデータや仕組みがないから」、3.2%の「その他」、2.4%の「わからない/答えられない」という順番になりました。

 「効果的に働く上で、勤めている会社に求めること」も聞くと、3位は「データや根拠に基づく業務管理」で34.7%、2位は「効果的な働き方やマネジメントに対する理解」で52.7%、1位は「評価基準や人員配置の見直し」で58.5%でした。

 同社は、調査結果について、「深刻な人材不足など介護現場はさまざまな課題を抱えていますが、これらの課題は、質の高い介護サービスの提供を妨げ、最終的には利用者に影響を及ぼす可能性があります。適正な人員配置を実現し、介護スタッフの働く環境を整備するためには、最新技術の導入も含めた解決策を検討することが必要ではないでしょうか」とコメントしています。