お金、育児、仕事…結婚後のトラブルを防ぐためにカップルが前もって話し合うべきこと

お金、育児、仕事…結婚後のトラブルを防ぐためにカップルが前もって話し合うべきこと

「結婚前にどんなことを話し合っておくべきか」。このような、結婚を視野に入れたカップルにまつわる疑問について先日、ネット上で話題になりました。結婚後、幸せに満ちあふれた新生活が始まる一方で、意見や考え方の違いにより交際時には思いもしなかったトラブルやもめ事が起こり、夫婦間に溝が生じることもあるようです。

 ネット上では「結婚後に妻の借金が発覚して大げんかになった」「働き続けたかったのに、専業主婦になってと言われて困った」「子どもに関して意見が合わなかった」など、結婚後のトラブルに関する声が上がっています。結婚前にカップルが話し合うべき事柄について、結婚マッチングサービス「STORIA」代表でコラムニストの沢宮里奈さんに聞きました。

「仕事の継続」「親との同居」は重要テーマ

Q.結婚前に話し合っておいた方がよいことについて教えてください。

沢宮さん「結婚後の生活で問題になりやすいのが、次の9つです」

【仕事、働き方】

 結婚前には「仕事を続けるのか」「子どもができたら辞めるのか」などの基本的な部分は話し合っておいた方がよいでしょう。世帯主が突然リストラされたり、起業などで会社を辞めたりすることもありうるので、そのような場合にどうするかについても話し合うとよいと思います。ただし、リストラや起業については、結婚前に決定するのではなく、あくまでもその時の経済状況も加味して、その時が来たら臨機応変に対応する、としておいた方がよいでしょう。

【家族設計】

 子どもの人数は必ずしも思い通りにはなりません。不妊治療をするかどうかまで話し合ってしまうと、後々苦しくなってしまうことも考えられます。話し合うのであれば、「男の子と女の子、1人ずついたらよいね」程度の夢の話にとどめましょう。

【家事】

 細かい取り決めまでしてしまうと、実際にやってみた後で得意・不得意に気付いたり、不公平感ややり方への不満が噴出したりします。まずは、大まかに決めて、実践しながら是正していきましょう。コツは「仮に決めたとしても、できるだけ相手の分まで少し多くやってあげること」、そして、「『男性の仕事』『女性の仕事』と分けずに、思いやりの気持ちを持って仕事を分担すること」。

【育児】

 妊娠、出産、授乳は女性にしかできません。これに関しては、男性が最大限愛情を持ち、女性の体を気遣いましょう。つわりや授乳のつらさ、産後の鬱(うつ)などは個人差があります。その時になってみなければ分からないので、婚前に話し合うのは難しいかと思います。女性は、つらい時は無理をせず、そのときに正直に話しましょう。

【お金】

 婚前の貯金や遺産などはそれぞれのものですが、2人で築いた財産については話し合う必要があります。家計費の割合はどうするのか、あるいは、昔ながらに妻が夫の給与をすべて預かるのか、妻の働いた分はお小遣いでよいのかなど、スタート時点の取り決めが必要です。ただし、結婚生活を続けるうちに状況が変わるので、その際に改めて話し合いましょう。

【マイホーム】

「マイホームを買うのか」「賃貸に住むのか」程度の話は、その時点での意見を交換しておいた方がよいでしょう。ただし、最近は、どちらかの親がお金を出したり、一緒に住んだりするケースも増えているほか、社会情勢によっても変わってくるため、その時点で柔軟に対応しましょう。

【親との関係】

 親の経済力にもよりますが、2人で話し合うなら、「お互いにできるだけのことをしたい」という気持ちを持って話し合いましょう。一緒に住むのか、別居にするのかは、結婚前に決める必要があります。

【親の介護】

「介護をするのか」「老人ホームに入ってもらうのか」は、双方の親とも話し合うべきことではありますが、親に対して、いきなり老後のことを話すのは失礼です。いざとなったら、相手の親のことも自分の親と同等に面倒を見る気持ちでいた方が、お互いに気持ちよく過ごせます。

【夫婦の老後】

 元気なのか病気なのか、あるいは存命なのかさえも、そのときにならなければ分かりません。お金を貯めるべきかどうか悩むなら、養老保険や介護保険などに頼るのも一案です。

Q.こうした話し合いの機会を持つ適切なタイミングはいつでしょうか。

沢宮さん「プロポーズ直後に現実的な約束事を切り出す人が多いのですが、実は、これを機に『待った』がかかってしまうケースが多いのです。『話し合い』ではなく『将来の夢』という形で、デートのときに楽しく切り出すのがよいでしょう。もし、相手がその条件に難色を示すようなら、その話はすぐに切り上げます。

内容にもよりますが、結婚後、相手方のご両親と親密になってからでも遅くない話もあります。プロポーズを幸いとばかりに、『虫の良い条件の提案』を一方的に切り出すことだけは避けましょう」

もしも、考えの違いが分かったら…

Q.話し合いによって、お互いの意見や考え方に相違があると分かった場合、どうするのがよいでしょうか。

沢宮さん「事の大小によります。例えば、家事や子どもの教育などはそれを理由に別れるには値しないことです。無理に話し合いで解決しようとせず、そのときが来るまで静かに待ちましょう。

子どもの人数や、子どもを希望するのかどうかは、話し合うにしても、『将来の夢の話』程度にとどめておきましょう。もちろん、『子どもを持たない』『1人でも生まれたらよい』などの条件で合意できますが、『必ず子どもが欲しい』『できるだけたくさん欲しい』『男の子が生まれるまでは欲しい』などと合意したとしても必ずしも思い通りにはなりません。どうなるか分からないことで言い合いになってしまっては、本末転倒です。

一方で、『経済的に困っているわけでもないのに、相手の親との同居を強いられる』など、人によっては耐えがたいこともあるでしょう。また、仕事を続けるかどうかや生活費の分担は、結婚後すぐにスタートすることなので、きちんと決めておきましょう。

親との同居や仕事の継続など重要なことで意見が合わない場合、結婚を見直すのも選択肢の一つではあります。ただ、それは最後の手段です。この時代、『結婚したい』と思えるほどの“運命の人”に出会えること自体が奇跡です。そのタイミングを逃してしまったことで、二度とご縁が来ないことも珍しくありません。そんなときこそ、譲歩する、立場が上の人に意見していただくなど、知恵を絞り、愛情を持って話し合いましょう」

Q.話し合う際に、双方が意識しておくべきことはありますか。

沢宮さん「結婚は、恋愛とは違って2人だけのものではありません。もし離婚したら、子どもたちや双方の両親など、多くの身内を悲しませることになります。例えば『浮気をしたら別れる』などは、それを取り決めることによって取り返しがつかなくなりかねません。そのことを、頭の片隅にいつも置いておきましょう。また、セックスレスなども、話し合いによってコンプレックスが明らかになり、大きな溝を作ってしまうことが知られています。何でも話し合えばよいということではありません。

もちろん、『子どもが欲しいのに結婚前からセックスレス』というケースでは話が変わってきますが、そうでなければ、相手の良いところを総合的に見て、お互いに許し合うことで、絆を深めていきましょう」

Q.結婚前に話し合った結果を書面に残す人もいるようです。

沢宮さん「欧州などの影響で、日本でも結婚前に『婚前契約』を行うカップルが増えていますが、ナンセンスだと思います。仮に契約をした場合、破られたときにどんな気持ちがするでしょうか。契約さえなければ『お互いさま』で済んだはずなのに、下手に契約があったがために、破られた時はどん底の思いにさいなまれることになるのです。

そもそも、結婚から時間がたてばお互いに年を取りますし、どちらかがけがをしたり、病気にかかってしまったりすることもあるでしょう。そんな中、婚前に結んだ契約を持ち出されてしまったら、2人の仲は修復不可能になります。

結婚前の話し合いは大切ですが、『結婚前に2人で話し合えば、全てのすれ違いは避けられる』というのは幻想です。それよりも、長い結婚生活の中で何か起こるたびに、思いやりを持って譲り合い、乗り越えていく方がずっと良い結果になります。

結婚してからも成長は続きます。2人の関係も考え方も、さまざまな経験を経て変わっていくことでしょう。夫婦の間に、もめ事や意見の食い違いが起こることは当然です。それでも支え合いながら結婚生活を続けていくことで、2人の絆は揺るぎないものになります」


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